優秀な軍医は退職して一般ピーポー ①【鋼の錬金術師】 (ページ23)

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帰りはやけに大人しく車に乗り込んできた。
の割にはずっと窓の外を見ている。

道これで合ってるのかよ･･･

ﾊﾎﾞ「道あってんのか？」

「はい、次の角を右です」

ﾊﾎﾞ「あぁ･･･」

「どう思いますか、軍医についてあなたは」

ﾊﾎﾞ「どうって？」

「軍医は戦わないです、軍人と違い血を一滴も流しもしない･･･そんな人が戦場に一緒にいると反吐が出ませんか？」

ﾊﾎﾞ「･･･さあな、俺はどうも」

「優しい人･･･」

ﾊﾎﾞ「怪我したヤツらを必死で助けてるって考えたら･･･形は違えど一緒に戦ってるんじゃないか？」

「･･･フーン」

そのまままた沈黙になる。
考え無しに断ってるんじゃないんだな、こいつも

ちゃんと考えて居る場所を決めてる。

ﾊﾎﾞ「･･･すげぇ奴」

「あ、ここでいいです」

ﾊﾎﾞ「あ？あぁ」

「ありがとうございました」

ﾊﾎﾞ「いいよ、大佐からの指示出しな。気をつけてな」

「はい、そちらもお気をつけて」

10日ほど経った頃
私は未だ書類とにらめっこをしている
その中に紛れて同意書が1枚。

これにサインをすれば将来安泰か。

「･･･はぁ」

人生は選択の連続だ。
この紙切れ1枚で、これからの生涯が決まるのだ。

どうしたものか･･･。

『コーヒーいります？』

「貰います･･･」

『その書類なんですか？』

「ん？あー･･･なんというかな、軍医にならないかと」

『えー！？すごい！名誉じゃないですか！』

「･･･そう思うのか？」

『はい！軍医なんてなれるもんじゃないですよ！？しかも総監！？安泰じゃないですか！』

「そう思うならいい･･･コーヒーありがとうな」

『あ、A先生！？』

「ちょっと外の空気を吸ってくる･･･」

そうだな、人によっては名誉と考える人もいるか。
治しては人が来る･･･まあ病院とは大差ないが･･･。
もうあんな戦場に顔を出したくもない。

ただ腕がいいと言うだけで連れていかれるんだからな。

ｷﾝ『君も自分の技術が上がってると思うのだろ？』

『･･･いいえ』

ｷﾝ『治しきれなかった輩からまた治療の手立てを見つけたこと･･･名誉でもあるし、経験でもあるじゃないか。
なぜそのことを誇らないんですか？･･･あぁ、手立てを見つけた数だけ･･･貴方に殺されてるからでしょうか』

『助けられるなら全員助けたいです･･･』

ｷﾝ『何を偽善者みたいな発言を･･･もう貴方は･･･列記とした人殺しですよ』