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呪われた家、それは変わらない事だ。
親は子供に鬼を託して逃げた、大切な槍を置いて。
羅刹とは昔は喋っていた、色々なことを教えてくれる彼に対して私は兄のように慕っていた。
霆影之矛の使い方も羅刹が教えてくれた。
買い物をした帰り、呪いが人を襲っているのが視界に入った
無我夢中で槍を振るい人を守った
倒した時にスッキリとした感覚になったはずなのに。
助けた人は怯えた目で指を指す
『化物だ』
『気持ち悪い赤い目』
『人間じゃない』
走って逃げる姿を見送る。
守ったはずなのに、忌み嫌われる。
なんでなんだろうか、守ったはずが嫌われる。
子供の私には分からないまま買い物袋を持ち、家に帰る。
羅『人とは醜いものだな』
『醜い?』
羅『助けてやったのにあんな捨て台詞を吐くなんてな、報われない』
『・・・』
羅『可哀想なものだ・・・人に逃げられてばかりだな』
『仕方ないよ』
羅『憎くないのか』
『・・・知らない人だから、別に。あの人にもう一度会う確率なんてたかが知れてる』
どうも思わなかった
理解を拒んだのかもしれない。
とぼとぼと歩く。
羅『俺がいなかったらきっとお前は平和に嫌われずにすむ』
『・・・私は君には私の中にいて欲しい』
羅『受け入れるのか?俺を』
『あなたが居なかったら私は・・・1人だったから』
羅『・・・そうだな、だがお前には俺を忘れてもらった方がいい。』
パチン
頭に響く指音。
記憶を引き出しにしまわれて、大事なことを忘れてた。
羅『俺はお前を守る、だから忘れろ』
親は蒸発。
羅刹の忘却。
ただ記憶に残るのは
鬼の呪いを受けたこと。
家にある鬼の文献。
自分が化物と言われた記憶。
霆影之矛の使い方。
術式の使い方。
だけだった。
「恵に言われるまでこんな記憶・・・忘れてた」
伏「忘れてたんじゃない、忘れさせたんだ。」
「思い出せてよかった・・・」
伏「お前の親今どこにいるとかは」
「わからない、知っても逢いに行くこともないし」
伏「そうか」
「多分この間は覚えてるところを言ってただけなのかな、完璧に思い出したのは今が初めて。なんかスッキリした」
伏「羅刹のことを知ればお前はもっと強くなれると思う」
「うん、まだ沢山のことを忘れてる気がする・・・これからまた思い出してみるよ」
スッキリとした気持ちで校庭に向かう
木陰に置いていたからか、水はまた冷たくなっていた。
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作者名:ルンバ故障中 | 作成日時:2021年1月23日 9時