日向の幼馴染は陸上部です。Third

存在 ページ33

「えっ」

東「俺たちの知らないところで考えてくれてたんだな」

澤「辛気臭い言い方やめろへなちょこ」

東「へなっ」

頭の手を退けられて澤村先輩は笑顔で暴言を吐く
頭に触れるとまだ少し温もりがあった･･･先輩の手ってあんなに大きいんだ

撫でられた時に少しだけ･･･安心した気がした

澤「でもまあ、そんなこと悩む必要ないんじゃないか？」

「えっ･･･」

澤「そんなことでうじうじしてたらお前が三年になった時、レギュラー1年生に取られるぞ」

「3年まで続いてるかどうか･･･」

菅「辞めるの！？」

「うわっ」

急に背後から現れた菅原先輩に驚く
激しく音を立てる胸を抑えながら私は深呼吸する

びっくりしたぁ･･････驚くのも束の間
澤村先輩は話を続ける

澤「確かに日向の攻撃があるから囮だってできる、けどなお前が旭の代わりに入ることによっても脅威ではあるんだぞ？」

東「あーちょっとわかるかも」

菅「試合中の威圧感と言い日向の囮が霞むくらいだからなーAが囮でも全然大丈夫そうだけどね」

「どうでしょうか･･･」

澤「お前も出るべきではあるんだ、ただメンバーがキツキツで出れないとでも思ってた方が気が楽だぞ」

「そういうことにしときます」

澤「じゃあ話は終わり。コーチにまた怒られるからな」

背中を押されて前へ進む。

一歩踏み出す、向かい風が私の事を止めようと少し強く吹いた
だがそれがなんだ力強くもう一歩を踏み出す。

私よりも小さいはずなのに、どこか大きい存在なんだ
威張らず、優しく、時に厳しく、そして導いてくれる存在。

烏野に入ってよかったと心の底から思う


烏「ほら早くしろォ！」

「はいっ」

菅「結局怒られちゃったな」

澤「まあいいんじゃないか？Aも少しは元気になったみたいだし」

東「大地は後輩大好きだなー」

澤「後輩は大切にしなきゃな」

菅「よしっ！コーチのところまで競走！ビリは坂ノ下の肉まん！」

澤「あ、おい！フライングだろそれ！」

東「肉まん意外とするんだよなぁ･･･」

「負けませんよ！」

菅「うわっ陸上部だったの忘れてた」

駆けろ駆けろ駆けろっ！

この気持ちを忘れるなっ
今日の事を胸に刻めっ！

バレーボールの道はまだまだ続くから
例え辞めたとしても後で後悔するから

今は精一杯

「楽しまなきゃっ」

アーチ型の車止めを飛び越える

雛が巣から飛び出すみたいに
空に届くように

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