日向の幼馴染は陸上部です。Third

ボール ページ30

片付けも終わってみんな体育館を出ていく
最後に残ったのは清水先輩と私だけ･･･駆け足で電気を消しに行く

「あ」

音駒の･･･ボールかな、うん･･･名前書いてあるしそうだな。
そう言えば1個なくなったとか何とか･･･言ってた気がする、片手でボールを掴む

ﾊﾞﾁﾝﾊﾞﾁｯ

重い電気の電源を落とす
手首に振動が伝わって少し震えた

「おまたせしました！」

清「ううん、ありがとう」

笑顔を返されてつられて私も微笑む
量の多い荷物を持って体育館を出る･･･靴を履き替えてると外では仲良くなった先輩方が挨拶を互いにしているのが見えた

あっちにマネージャーがいないから清水先輩･･･残念だな

「あっちにマネージャーがいたら･･･仲良くできたのに」

清「それって私のこと？」

「えっ！？いやなんか･･･マネージャー同士で会話してたり3年生の同じ仕事してる友達とかいた方がなんか楽しそうだなって」

清「･･･今の現状も私は好きよ」

「今･･･ですか、澤村先輩とかいますし」

清「それもあるけど･･･私に秘密を教えてくれたりこうして手伝ってくれたり･･･他校にマネージャー友達がいなくたって私にはAがいるから心強いわ」

「･･･っありがとうございます」

清「お礼を言うのはこっちなんだけど･･･」

「私もそう言っていただけて嬉しいです！！」

清「ふふっ嬉しい」

笑顔が素敵で･･･こんな優しい人がいてもいいのかって思う

すると挨拶を終えた黒尾さんに声をかけられる、清水先輩はまた真顔に戻ってスタスタとその場を去る
･･････せっかく仲良くなれたのに、そう思いながら面と向かう

「なんですか」

黒「コワッ！なんで怒ってるの！？」

「別に怒ってないですけど」

黒「あ、そうそう。スパイクすごかったねーっていうご褒美をほら」

「リストバンド？なんでまたこんなの･･･部活中は付けれないし」

黒「お前が帰る前に渡そうとしてやつ、誕生日プレゼント。誕生日近いんだよーとか言いながら帰りやがって、なに、祝って欲しいの？欲しくないの？」

「どっちでも良かったんですけど･･･言いましたっけ？」

黒「言ったよ･･･記憶力皆無か？」

「いや･･･あ、そうだ」

ずっと持っていたボールを渡す
力を少し込めて･･･胸に押し当てるようにして

･･･このままこの人こっちにいればいいのになんて思う。
そしたら私も･･･気が楽だし話もできるのにって

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