父親 ページ30
「これでいいかな･･･」
布団を敷きその中に移動させる
落ち着いた寝息が聞こえる部屋を後にして私は借りている一室に移る
「あ」
杏「あぁ、Aか･･･おかえり」
部屋の隅で読書をしていたのか･･･私と目を合わせる
･･･聞きたいことはあるが触れないでおこう
そして何故ここにいるんですか
「ただいま･･･です」
杏「父上は寝たのか？」
「見てたん･･･ですか？」
杏「声が聞こえてな、取り乱していたところを見てしまってた」
「そうですか」
私は杏寿郎さんの隣に腰かける
話すことも無く私は顔を伏せる
怖いくらいに静かだ
嵐の前の静けさのような
横目で見れば本を静かに読んでいる
頬杖をつきいつもの笑顔ではなく、落ち着いた表情で
なんの本読んでるんだろ
気になりながらも私は目を閉じて考えることを放棄する
本のページを捲る無機質な音だけが響いた
杏「君は･･･父の話を聞いてどう思った？あんな姿を見て･･･なにか感じたか？」
「･･･私は･･････」
赤の他人が口を出していいものだろうか
本から目を離さずに言葉だけ紡ぐ杏寿郎さんはどこか素っ気なく冷たく感じた
私は･･････
「酒に溺れるのも、教えることを放棄することも･･･あの人の自由だと思います
初めて今日お話しましたが、色々抱えているような様子でした。どう感じたかといえば･･･分からないけど、やはり父として大きい器を持つ人だと思います」
杏「そうか、それを聞けたなら俺はそれでいい」
静かに本を閉じて目を瞑った
私も同じように呼吸を整えるように目を瞑る
杏寿郎さんは一人で学び柱になった
それがどんなに素晴らしくても、父は褒めること無く、母からは声も聞けず･･･
悲しいんじゃないだろうか
杏「座禅をすると心が落ち着き安らかになる、いらない考えも必要な考えも･･･今だけは何もなく無になれる
忘れるな、どんな戦いでも心を落ち着かせて戦うことにより切り開く時がある」
「･･･はい」
私は目を開ける
もし･･･黄泉に行けるとしたら
亡くなった瑠火さんや死んだ鬼たちにも会えるんじゃないのか
出来るのであれば･･････会って話しがしたい、どんな話でもいい･･･可能なのであれば
杏「何か余計なことを考えているな？」
「･･･まあ」
杏「いや大丈夫だ、悪かったな･･･勝手に部屋に入ったりして」
「とんでもないです」
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猫田尋 - しのぶちゃんより小さいのに健気に頑張る夢主ちゃんに感情移入しちゃいます、頑張って更新してください！ (2020年2月19日 16時) (
レス) id: 0dcbb5e6a0 (このIDを非表示/違反報告)
* - スッゴク面白かったです!世界観とか夢主の性格とかもう何か全部好きです!更新無理せず頑張ってください! (2019年11月21日 0時) (レス) id: 214b799aaf (このIDを非表示/違反報告)
九狐 - あ、応援してます！！ (2019年11月20日 15時) (レス) id: 5c71f16ab8 (このIDを非表示/違反報告)
九狐 - 無惨さん、かっこいい…てか、好きなのか？好きなのか？？恋愛要素あるよね？あるよね？ (2019年11月20日 15時) (レス) id: 5c71f16ab8 (このIDを非表示/違反報告)
ルンバ(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます！これからも頑張らせて頂きます！ (2019年11月18日 14時) (レス) id: eb114911f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルンバ故障中 | 作成日時：2019年10月4日 22時
