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貴方side






『………こ…こは…』

目覚めると真っ白な部屋だった。かといって神〜とかそんなんじゃなくて普通に病院ね。
腕に針が刺さっている。
…点滴だろうか。初めてだから分からない。
けど分かる。
知らない液体が体内に入っていっている。

『っつ!!』

思わず引っこ抜いてしまう。
食べ物じゃなくても何か気持ち悪い。怖い。
抜いた拍子に目眩が襲う。

…ここにいたくない。

体勢を立て直す。
ここを出よう。

フラフラとした足取りでドアを目指す。
ドアの取っ手に手を掛けた時ひとりでにドアが開いた。

?「お姉さん大丈夫…ってどこ行ってるの!?」

貴『っ!!』

ドアが開いたのは向こう側から昨日の子4が開いたかららしい。

彼を振り切り病室を出ようとすると妙な浮遊感に襲われた。

貴『離っ!!』

みると子4の連れなのか糸目で眼鏡な男性に
抱き抱えられていた。

?「いけませんよ。戻りましょう」

5年ぶりの人間。

貴『あ…は…離っ…離せ…!!!』

?「…」

無言でベットに連れ戻される。
嫌だ。やめろ。私に近づくな。
そんな威嚇?が効いたのか彼らは少し離れたところにいてくれた。

けれどもここから子4の尋問が始まった。

?「僕は江戸川コナン!で、こっちのお兄さんは沖矢昴さんだよ!お姉さんは?」

貴『………A』

苗字は名乗りたくなかった。
ご主人と奥さま、もとい両親と同じなど吐き気がするどころじゃない。同じ血が流れていることすら気分が悪い。

コ「…Aさんだね!なんであんなところにいたの?」

貴『…え?』

沖「医者と子供達から聞きました。あ、子供達は一度帰りましたよ。とても心配していました。私はボウヤ、コナン君の付き添いで。連絡を取れる人がいないようでしたから」

コ「Aさん。目立たないけど痣があるよね。それも転んだものじゃない。それにお腹の刺し傷。
見たところ家もお金もないよね?」

沖「胃の中に食べ物がない、とも言っていました。
どうやって暮らして来たんです?」

貴『う…あ…ぐっ…ぁぁぁあ!!!』

頭痛がする。
やめて。
…私は!!!

コ「ごめんなさい!ゆっくりでいいから!僕たちはAさんの味方だから。怖くないよ!」

沖「落ち着くまで待っていますから。自分のペースで」

胸の中が温かくなる。
久々…いや、初めて感じる人の温もりだった。

気付くと頬を伝う水を感じた。

あぁ、これが優しさか、と思った。

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イワナガ - すごく楽しめました!更新楽しみです (2021年4月19日 17時) (レス) id: 9cc13c76b3 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです!続き楽しみにしています!これからも頑張ってください! (2020年2月3日 23時) (レス) id: 7ae7374779 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - これからも頑張ってください! (2019年12月8日 23時) (レス) id: 64b49ff3de (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - ヤバイ、めっちゃ続ききになる! (2019年5月26日 0時) (レス) id: e94748d8d8 (このIDを非表示/違反報告)
sawachan18j(プロフ) - 待ってましたー!!楽しみにしてた甲斐がありましたー^_^ 無理しないでほしいですが更新楽しみです! (2019年5月12日 18時) (レス) id: 18132dde6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アノー | 作成日時:2018年6月5日 10時

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