【名探偵コナン】私食べられないんです【降谷零/安室透】

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貴方side








私は沖矢さんにごめんなさい、と言ってから助けてくれた事に感謝した。

沖「気にしないでください。それより暫くお会い出来なくてすみません」

やっぱり。

沖矢さんも安室さんと同じ、優しい人だ。

それから2人に食べられない事も言った。

2人は何というか微妙な顔つきをしていたけれど
安室さんの協力で食べれるものが増えたと言ったらふわりと笑って頭を撫でてくれた。

沖「Aさん、頭撫でられるの好きなんですか？」

貴『…分からないけど…何か気持ちいい…です…』

んっ…と私は目を瞑る。
大きな手。なんだか安心する。

人肌も実に1ヶ月ぶり。

何十年も人の優しさなんて触れてこなかったくせにいざそれを知ってしまうと知らなかった頃には戻れない。

なんて人って幸せで悲しい生き物なんだろう…

コ「そういえば沖矢さんさ、安室さんが今どこにいるか知ってる？」

沖「安室君…？」

貴『実はもう1ヶ月もまともに会えてなくて…。私は携帯も持ってないから安否も分からないし……』

沖「フム…。ちょっとコナン君」

コ「なぁに？昴さん」

沖「これを彼女に…」

コ「！すっごくいいと思う！」

貴『え…えっと……何を？』

するとコナン君が後ろ手に何かを隠しながらちょこちょここっちに寄ってきてくれた。

コ「はい！プレゼントだよ！」

貴『コレ…っ！！』

それは真っ白な四角い物体。
そう憧れのスマートなホン。略してスマホ。

沖「私とコナン君の連絡先を入れておきました。何かあれば…いや、なくてもいいです。暇だなっと思ったりさびしくなった時は電話なりメールなりいつでもしてきてください」

貴『！……ありがと…ございます！！』

その後コナン君に使い方を叩き込まれ見事現代人の仲間入りを果たした。

しかし、安室さんの行方は分からずじまいだった。

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