150：普通の男子学生 ページ8
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夜。
目の腫れも十分に冷やし、メイク直しもしてハーツラビュル寮へと向かう。
グリムは、私の新しいスカートのヒラヒラに気を取られているのか、私が歩く度に目をキョロキョロとさせていた。
『(猫ちゃんだ…)』
グリム｢ぶなぁ、前の制服の方が良かったんだゾ｣
『トレイ先輩にちゃんと返さなきゃ。それにせっかく学園長も用意してくれたんだから……ってコラ！スカートぴらぴらしないでよ〜！』
グリム｢気が散るんだゾ…｣
二本足で立って、高さ70cmほどのグリムは、前足をユウの足に乗せもう片方の足でスカートにちょっかいを出す。
スカートを押さえてグリムから逃げるように寮に繋がる鏡の中へ飛び込んだ。
グリム｢待つんだゾ！！｣
『やだ！』
場所がぐるりと変わって、ハーツラビュルの賑やかな景観が広がる。
『……ッ！？うわっ！！！』
グリムの方に気を取られていたからか、鏡の目の前にいた人に思い切り体当たりをしてしまった。
相手は体幹があるのか、なんとか転倒を免れるも、タックルという攻撃をしてしまったのは事実。
すぐに顔を上げて謝罪の言葉を述べた。
『ご、ごめんなさい！！』
デュース｢なんだ、ユウか！丁度迎えに行く所だったんだ！｣
エース｢…………お前その服！！！｣
デュース｢？｣
密着してしまっていたデュースからは見えないのか、首を傾げていたので、一歩下がって全身が見えるように一回転する。
ようやく、女子の制服に喜んでくれる人に出会えた。
『ふふんっ』
エース｢めっちゃいい！！サイコー！！｣
『ふふっ、…ふふふん〜！！』
純粋に喜んでくれるエースにどんどん鼻が高くなる。
今まで寮長会議でのお披露目でも、イグニハイド寮でも、ラギー先輩もほとんど言及するような人ではなかったからか、
不完全燃焼のようなものを感じていたのだ。
エース｢スカートの下フリフリじゃん！てかシャツもフリフリだしネクタイリボンだし！めっちゃ女の子って感じ！正直こんなむさ苦しい学園生活の救世主だわお前！｣
『どうしよう…エースが私の事好きすぎて困る〜！』
2人でグリムの理解の範疇を超えた盛り上がりをみせる中、ユウを抱きとめた体勢のまま固まったままのデュース。
グリムが話しかけても、顔を真っ赤にしたまま動かず、ずっと一点を見つめたままだった。
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作者名：鈴木(仮) | 作成日時：2024年3月3日 10時
