149：一緒に笑って ページ7
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『…………ら…いゃ、えっと…』
ラギー｢イグニハイドの奴に何かされたッスか？髪ぐちゃぐちゃ…顔もだけど｣
『い、イグニハイド寮は関係ないです！！ただ、えっと…センチメンタル…的な？えっと〜、カルチャーショック的な？？』
もはやケイト先輩の魔法の言葉、カルチャーショックでなんとか乗り切ろうとするも、ラギー先輩に怪訝な顔で見つめられる。
髪を自力で直して、化粧でぐちゃぐちゃになった顔をテッシュで拭いた。
しかし一度流れた涙はしばらく途切れそうもない。
ラギー先輩が顔をギョッとさせる程には、拭っても拭っても乾くことはなかった。
｢(なんだこれ…面倒くさ……)｣
さすがにこちらも驚いて、放心状態で延々と目を擦っていると、慌てて手を止められた。
ラギー｢傷つけちゃうッスよ！落ち着いて、深呼吸はいっ、スーッ…はーっ｣
『……スーッ…うぅ…』
ラギー｢なんで更に泣くっスか！？｣
ガシガシと頭をかいたラギー先輩に、申し訳なくなって余計に涙が止まらなくなる。
本当にごめんなさい。
反省しています。
でも止まらないんです。
情緒、不安定なんです。
不細工な顔でラギー先輩を見つめていたせいか、目を逸らされる。
周りを見渡し、手を離して、自身の頬に人差し指を当てた。
ラギー｢ほら笑って！ラフ･ウィズ･ミー！！｣
『んに、へ、顔が勝手に…！』
ラギー｢シシシッ！ほらもっともっと〜！｣
『な、なにこえ！？らぎーしぇんふぁ…！！』
突然体の自由が効かなくなり、口角が不自然なほど吊り上がる。
いつの間にか自分の人差し指も頬に当たり、まるで、ラギー先輩と全く同じ格好をしているような感覚になった。
涙もあまりの驚きに引っ込み、傍から見れば、私はもう目の赤い笑顔の女の子だ。
ラギー｢今日はこれで勘弁してあげる〜。ユウくんには笑顔が似合うッスよ。｣
ラギー先輩がパッとマジカルペンを振ると、急に体を自由に操れるようになる。
でも、私はまだ笑っていた。
『…う、ひひっ、これって、ラギー先輩の魔法ですか？ラブウィズミーって、ふふっ、』
ラギー｢企業秘密ッス。もう元気になった？｣
『はい、ありがとうございます！』
立ち上がったラギー先輩に引っ張られて、鏡舎の外に追いやられる。
早くオンボロ寮に帰って目を冷やすようにと言ってくれた。
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作者名：鈴木(仮) | 作成日時：2024年3月3日 10時
