146：一念発起 ページ4
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オルト｢君は…オンボロ寮の監督生サン、だね、名前を登録してもいい？｣
『えっと、え？すごい、浮いてる！ユウです！貴女の名前は…オルトさん？』
オルト｢僕の名前はオルト！君が訪ねた、イグニハイド寮寮長のイデア･シュラウドの弟だよ！｣
『すごい…初めて見た…！貴方のお兄さんは天才なんですね！！』
オルト｢その通りっ！僕の兄さんは天才なんだ！！｣
そういえば、会議中もタブレットのようなものをずっと浮かせていたし、ただどんな仕組みで動いてるのか全くもってわからないけれど、とりあえずこちらが考えられ無いくらいすごい人なのだな。
静かだった談話室が、オルトさんの声で明るくなる。
威圧的な雰囲気だったらしい私の誤解を解いてくれたのか、オルトさんの声を聞いて、イグニハイド寮の寮生が廊下から出てきてくれた。
｢は…初めまして…ユウ、様…｣
『様！？私本物のプリンセスでは無いです！』
｢じゃ、じゃあなんて呼べば…｣
『そんな、私はまだこの世界初心者で、皆さんの方が色々と先輩なので、好きに呼んでください。』
｢で、では、ユウ…ちゃん、｣
｢おい！いきなり馴れ馴れしいぞ！！｣
『な、馴れ馴れしく無いですよ！？好きに呼んでくださいって言ったじゃないですか』
｢優しい…｣
｢優しいな…｣
｢…僕達のお姫様だ！｣
｢そうだ！！野蛮な男共からユウちゃんを護れ！！｣
『え…？』
いきなり一念発起したイグニハイド寮生。
わけもわからずどこかの誰かに威嚇し始めた寮生に、ユウはオルトの方を見て助けを求めた。
首を振るオルト。
どうしようもないらしい。
『(陽気な人たちだな…)』
暫くして、どこかのドアが開く音がする。
オルトの嬉しそうな声を聞いて、ユウは後ろを振り返った。
オルト｢兄さんっ！｣
イデア｢オルト…なんであの人たちハチマキ巻いて作戦会議してるの…？こわ…｣
オルト｢オンボロ寮のユウさんを護る会だって！｣
『え、何から…！？』
兄さん、という事で、寮長だとわかり振り向いてメモ用紙を渡す。
初対面ということもあり笑顔で自己紹介と、寮に来た理由を説明すれば、彼はレオナ先輩のように笑顔に反応し顔を顰めた。
『(……あっ)』
イデア｢……はぁ、僕がどうしてタブレットで会議に出てるのか知らないのかな、迷惑すぎるんだが…｣
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作者名：鈴木(仮) | 作成日時：2024年3月3日 10時
