160：大きな帽子の ページ18
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作戦はこうだ。
次被害に遭うであろう生徒を張り込みし、事件が起き次第速やかに保護、そして周辺の調査や聞き込みを行い、犯人を特定する。
ケイト先輩の調べてくれた情報の中で、被害者の有力候補の元へ向かった。
『……誰が犯人か、聞かないんですか』
先程私は、犯人の特定には至っていると言った。
しかし、それはシナリオには無かった情報だったためか、重要な情報にも拘わらず触れられていない。
この5人で、レオナ先輩を見張っていれば、いずれボロが出るはずなのだ。
レオナ先輩の、ユニーク魔法で、人を怪我させているところが。
『(あれ…何だ、この違和感)』
リドル｢証拠が無いのだろう？不確かな情報で犯人を絞るよりは、待ち伏せ作戦の方が効率的だと思っただけさ。｣
『確かに…それもそうですね。…もし犯人が違った場合、申し訳ないです。』
リドル｢仮にもしそうだったとしても、君が負い目を感じる必要は無いよ。｣
鏡舎に到着しハーツラビュル寮の隣にある、ポムフィオーレ寮に繋がる鏡を通り抜ける。
初めて訪れた、ポムフィオーレ寮の外観は、それはそれは壮観で、庭先にある林檎のなる木が世界観を感じさせる。
なんだか、ドレスを着て歩きたくなる寮だ。
ケイト先輩の人脈を頼りになんとか談話室までたどり着くと、私がレディだから、という理由でケイト先輩のお友達にお茶を出して貰えることになった。
『ありがとうございます』
｢ゆっくりしていくといい｣
グリム｢コイツ、さっき俺が来た時はお茶どころか手袋投げ捨ててきたんだゾ｣
ケイト｢グリちゃんそれ決闘申し込まれてる｣
先輩の二面性に若干引いたリドル先輩を含む下級生の4人は、グリムに少しばかりか同情する。
植物園には行かずグリムに着いていくべきだったか。
エース｢それで？ターゲット候補って？｣
ケイト先輩のお友達がお茶を淹れ、用事があるからと席を外したタイミングでエースが目配せをする。
彼はにこやかに携帯を取り出し、グループチャットに候補の生徒の写真と共に情報を送信した。
隣に座っていたエースに画面を見せてもらうと、どこで入手したのか生徒証に貼られるような証明写真が一枚。綺麗な金色の髪の人。
私がまだ雑用係の時に、囲まれていたところを助けてくれた人だ。
『…えっと、ルーク･ハント先輩』
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作者名：鈴木(仮) | 作成日時：2024年3月3日 10時
