158：致命的ショック ページ16
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『部活……部活か…』
ラギー先輩に背中を押され、植物園を追い出されたところで、先日、リドル先輩とは部活動で人柄を測ったのを思い出す。
馬術部では、リドル先輩は後輩思いで真面目な普通の高校生だった。
もしレオナ先輩の部活動にお邪魔し、彼の人となりを知ることが出来れば、これは進歩になるのでは。
そう思って植物園にUターンするも、既に2人の姿は無く、大人しくオンボロ寮に帰還した。
『ただいまぁ』
グリム｢遅いんだゾ！！｣
既に戻っているらしいグリム。
調査の結果をお互いに共有し、まずは、グリムに犯人はサバナクローの人なんだと信じてもらうために、証拠を集める事にした。
一段落したところで、オンボロ寮にエースが訪れたので経緯を説明する。
エース｢ふーん、原因不明の怪我ね｣
『犯人の証拠掴もうにも、犯行現場なんて虱潰しに調査しても抑えられるわけ無いし、結構詰んでる…』
エース｢犯人はわかってんの？｣
『うん、でも証拠が無くて』
エース｢へー｣
興味無さげにソファにどっかりと座る。
これは、もしやまた手伝ってもらうために何らかの報酬がないとダメなシナリオなんだな、と察するも報酬など検討もつかない。
本来ならこの後、監督生はどうしたんだろう。
デュース｢………っ、ユウ！！！エース！！クローバー先輩が！！｣
『…トレイ先輩？』
デュース｢クローバー先輩が階段から落ちて、怪我したって…！！｣
ああ、そうだった。
そう思った自分に心底嫌気がさす。
知ってたはずなのに。
阻止、できたはずなのに。
エース｢ユウ…？……ユウ！！行くぞ！！｣
ただの、お話だと思ってなんの気にも留めていなかった、友人との思い出の、片隅の出来事。
自分の先輩になって初めて事の重大さに気付く。
『う、ん、…行かなきゃ』
そうだ、エースがオンボロ寮にやってきてすぐ、デュースがトレイ先輩の事故を知らせに来て、ハーツラビュル寮の寮長達が事件解決に協力してくれるのだ。
サバナクロー寮の犯人に気を取られすぎて、本編に何も集中していなかった。
今回の事件はリドル先輩の時のように1人にばっか構っていられない。
被害者が出るのだ。
こんな時にも走るのは苦手で、2人に置いていかれながらやっとの事でハーツラビュル寮に辿り着く。
急いでドアを開けた。
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作者名：鈴木(仮) | 作成日時：2024年3月3日 10時
