155：木漏れ日 ページ13
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ラギー｢俺、レオナさんの言ってた意味がわかっちゃったッス…｣
レオナ｢……あ？｣
寮対抗マジカルシフト大会について、寮長会議に呼び出された日の昼休み。
生活においても、試合においても、何かと優秀なハイエナの後輩に買ってこさせたサンドイッチを受け取ると同時、悲しそうな顔に少々面倒に思う。
無駄にタフなコイツがこんな顔をする時は、大体面倒事に巻き込まれたか、損な状況に置かれた時だ。
レオナ｢……食い終わったら寝る、予鈴鳴ったら起こせよ｣
バカ正直に話を聞こうと面倒な事になるだけなので無視して目当てのサンドイッチを食べ始めると、変わらない表情で手を肩を竦めて首を振った。
ラギー｢まるで意思のないお人形さん。笑顔ばっかでちっともこっちに嫌な顔しやがらねぇ。気味が悪いッス｣
レオナ｢…おい、この飯どこから調達しやがった。｣
口を噤んだラギー。
この話題に興味があると悟られた。
レオナ｢チッ……｣
ラギー｢俺がこれとミニあんぱんを交換しよって言った時、あの子なんて言った時思います？『あんこが食べられないのに災難でしたね』って笑ってOKしたんスよ。｣
レオナ｢聞いただけで虫唾が走るぜ、やめろその話｣
ラギー｢俺をパシリにした罰ッス｣
黙って聞いていれば、コイツは知らないうちに随分とあの迷子のプリンセスと仲良くなったようだ。
その話の端々に、少しだけ情のようなものが含まれているのも感じ取れて、また寒気がする。
いつからそんな弱々しい男になったのか、あの人形の名を呼ぶヤツの声はハイエナとは言い難い。
その日の寮長会議、遅れて行った先に人形はいた。
先日問題を起こしたトランプ兵を束ねる女王陛下の隣で、変人の集まりであろう寮長の中でも当たり障りのない対応。
こちらが女王を小突いて事を荒立てても、騒ぐことはなくにこやかに礼を言った。
気に入らない。
『レオナ先輩』
気に入らないのだ。
召使いでもないのに、こちらの機嫌を伺うその目が。
やる気も起きず、日が沈むまでの間怠けていようと訪れていた放課後の植物園。
1番日当たりのいい芝生の上。
レオナ｢……………帰れ｣
『探しましたよ、植物園は広いから大変でした。聞きたいことがたくさんあるんです。』
人形のような目はこちらを覗き、こちらの言葉を無視して隣に座った。
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作者名：鈴木(仮) | 作成日時：2024年3月3日 10時
