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、
(side北斗)
わかってた、なんて
聞き分けのいいやつのフリして
本当は俺もただ拗らせてるだけ。
「Aがアイツを好きでも
俺はAが好きだし」
前とは違う、ストレートな言葉を伝えると
彼女は顔を赤くする。
ああ。可愛いなあ。
俺のもんなら今すぐ抱きしめて
なんなら家に連れて帰るけど
そんなことは出来ない。
「Aも俺ぐらい素直になれば？」
もし当たって砕けたら俺が慰めてやるよ
なんてせこいセリフは喉の奥にギリギリ留めて
彼女の背中を押す。
『デートぐらいは誘ってみようかな』
いつもなら、今のままで十分だ
って否定するのに
少し積極的になった彼女を見て
自分が用無しになるカウントダウンが始まっている気がして
勝手に胸を痛めた。
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作者名：Runaaaaa
| 作成日時：2021年2月7日 22時
