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、
(side樹)
『樹は私のこと全然わかってない』
鈍器で殴られたような感覚だった。
そうだよな、俺より
ずっとAを理解してる人たちが側にいる。
それでも、聞いて欲しかっただけなんだよ。
「ごめ」
『私は、樹が私を嫌いだって言ってた間も
ずっと、ずっと好きだったんだから！』
謝ろうとした瞬間、予想外の言葉が飛んできて
俺は目を丸くした。
『好きだから、振り回されてるんだよ。
好きじゃなかったら、とっくに側にいないよ』
そうだ。俺のどんな提案にも
嫌な顔をせず付き合ってくれていたのは
紛れもない、彼女だ。
彼女が俺に合わせてくれていたから
今までもやってこれたし仲直りもできた。
『だから…今は樹を好きじゃないなんて言わないで
ちゃんと、私を見てよ』
彼女が流した一粒の涙が俺の目に映り、
気づけば俺は彼女を強く抱きしめていた。
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作者名：Runaaaaa
| 作成日時：2021年2月7日 22時
