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(side北斗)


プロだから、ステージ上ではいつも通りだった。



でも、明らかに違うこいつらの空気に
俺はひどく嫌気がさした。



「ほら、飲めよ」




俺が飲み物を差し出せば
しけた面のまま受け取る樹。



「同じ女を好きな奴には話せねぇなって顔だな」



他の奴らが騒いでいることと
彼女がJr.の楽屋に行ってていないことを良いことに俺がぶっこむと、
口に飲み物を含んだ樹はゴホゴホとむせる。



「別に聞きたかねぇし、話したくねぇならいいけどさ」



うまくいったって行かなくたって
俺のところに来ることはないってわかってるから

それならせめて、くっつけよ

あいつをこれ以上泣かせんなよ。


そんな気持ちで俺は隣に座る。
昨日たまたま風磨の家で鉢合わせたという前置き付きで
樹は辛気臭い顔のまま話し始めた。


「…Aね、昔好きだった人
俺だって言ったの」



そう言った後に俺の表情をチラッと確認する樹。

驚くとでも思ったのか?
と思ったが、違った。


「反応しないってことは、マジなんだ」


どうも、その後彼女は冗談ぽく誤魔化したらしい。


そして、樹の悩みの種は



「今は誰が好きなのか聞いたけど
俺も風磨も好きだって笑って流された」


これか。

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作者名:Runaaaaa | 作成日時:2021年2月7日 22時

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