ずっと前から好きでした。 (ページ8)

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#寄り道ページ8

【 Aside 】

A｢ん～どうしよ…、こっち！あっ、でも～…｣

杏奈｢まだ決まんないの？笑｣

A｢もうちょっと悩ませて～…｣

校長先生という名の壁を

居眠りというズルをして乗り越え

駅前のクレープ屋さんに寄り道してるんだけど

A｢ねぇ慎～、いちごとバナナどっちがいいと思う～？｣

慎｢どっちでもいいんじゃね｣

A｢それが1番困る～！！｣

優柔不断な私に

"どっちでもいいんじゃない？"

なんて言葉をかけたら

お先真っ暗だよ

そんなお先真っ暗な中

どっちのクレープにしようか迷っていると

慎が｢いちごとバナナください｣って
私の食べたいクレープ、2つとも頼んじゃった

私が｢ちょっとっ！？私2つも食べないよ！？｣って言っても

慎が｢いいよ俺が食べるから｣ってよく分かんないこと言って

慎は何を考えてるんだろう

店員｢お待たせしました～、いちごとバナナのクレープです｣

慎｢ありがとうございます、はい｣

慎は店員さんからクレープを受け取ると

私にいちごクレープを渡した

私がいつまでも慎の手にあるいちごクレープを見つめているからか

慎が｢俺バナナの方が食べたいからいい？｣って言ってきて

｢…別にいいけど｣ってこたえて
ほんとはバナナも食べたかったな～、なんて思いながら
少しずついちごクレープを食べていた

そしたら慎が｢いらないの？｣ってたずねてきて

何がいらないのか分かんなくて｢何が？｣って聞くと

慎は｢これ｣って手に持っていたクレープに目線を移した

ほんとは食べたいって思ってたけど
慎が食べてるのに私が食べたら
慎の分がなくなっちゃうって思って
｢だって慎が食べてるじゃん｣って言うと

私の心を読んだかのように
｢けどお前、食べたいんでしょ？｣って聞いてきて

｢…いいの？｣って聞いたら

｢いいから聞いてんじゃん笑｣って

A｢やった～！ありがと、慎～！！｣

そう言って慎の手を引っ張って、
自分の口元まで持っていきクレープを1口食べると
慎が｢ちょっ、お前食べすぎ！｣って言って
大きめの口でいったのバレちゃった～、なんて思いながら

｢慎がいいって言ったんだからね！｣って言ったら

｢じゃあ俺も｣って言って私がしたように
慎も私の手を自分の口元まで持ち上げて1口食べたんだよ～！？

A｢あ～！慎～！！｣

慎｢ははっ、お前むきになりすぎ笑｣

なんだかんだ、こうやってふざけてるのも楽しいんだよね