病気の君【刀剣乱舞】へしきり長谷部 ページ3
「…ねぇ、私ね、もうそろそろ…お迎えが来ちゃうって」
「今日、現世の病院行ってきたんだ…ねぇ長谷部…」
「私が居なくなったら…この本丸どうなるの？」
「誰かの手に行っちゃうの？…」
「ねぇ、それなら私…あなたたちのこと刀解させるわ…」
淡々と語る主。その姿は、もう病人という顔をしていて、異常に肌が白くて目に光がなくて、彼女は、生きれないということを自覚しているようだった。
「主が、その決断を下すのなら俺たちはそれを受け入れますよ。」
「長谷部っ…！怖いよ…死ぬのが…怖い…っ！あなたたちと離れたくないッ！｝
ふわりと倒れかけて、静かにしゃくりをあげる主。頭を撫でると少しﾋﾞｸｯとし、また泣き始める
その姿はただのか弱い人間だ。
「…長谷部、……私ね、皆のこと大好きだからっ…！…だから違う人の手にみんながいったら……焼きもち妬いちゃうし、…それにね、その人が悪い人だったら…って考えちゃうと…っ！」
「…怖くて…怖くてっ…！……寂しいのは嫌ァっ！！」
「主、落ち着いてください。あなたのことは死なせません。このへし切長谷部が」
「無理…無理なんだよぉ！！！長谷部でも…神様でもできないのっ…！」
「主…」
「…バカみたい…ごめんなさい…長谷部。迷惑かけちゃって…大丈夫。私は一人で…独りで…最期を迎える。迷惑はかけさせない…」
主はもたれかかったままの姿勢で少し上を向き俺の頬に手を添えた。
「大好き…だよ。ばいばい。へし切長谷部…みんな」
ﾁｭｯと小さく重なる唇。
主はこの本丸から姿を消した。
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作者名：メガネ＠ヤドカリ愛してるさん | 作成日時：2017年1月30日 22時
