【ハイキュー!!】マネージャーは今日も嘘をつく

４３話 ページ43

ー黒尾sideー


「よかったのか？」

「…なにが」


帰りのバスの中

隣に座る研磨に聞くのはさっきの事だ


「なにがって、ただ挨拶に行ったわけじゃないんだろ」

「…」

「別れの挨拶するためにわざわざ出会って間もないやつに
自分から話しかけるような奴じゃないだろお前」


研磨はお世辞にも人付き合いがいいとは言えない

そもそも、自分から積極的に人間関係を築こうなんてしない奴だ


だからこそ、コイツが自分からAに話しかけたのはかなり驚いたし
それなりの理由があったんだろう


「(と思ったんだが…)」

「別に…クロには関係ない」

「…そーかよぉ」


こりゃ駄目そうだ


研磨の様子を見る限り話す気などサラサラない感じだ


聞くだけ無駄

そう見切り、研磨に聞くのは諦めることにした


少しだけ騒めいているが、ほとんど誰も喋らず静かな車内


山本いびきうるせぇよ


「…変な奴だったな」

「…うん」


窓の外を眺めながらあの女、東峰Aのことを思い出す


ーー

「おいA」

『はい、なんでしょう』

「…なんで」


「話しかけただけなのに身構えるんだ…？」


『…』


『田中が「シティボーイは危険だぜ」と言っていたので』

「田中…あの坊主か…」


「つーか、シティボーイってなに」


『…』


『田中が「街中で育った危険な奴ら」と言っていました』

「お前どんだけ田中の事信用してんだよ」

ーー


「天然っつーか、馬鹿っていうか…」


挙句の果てには「猫又監督はシティダンディなんですかね？」

なんて質問を真剣な顔して聞いてくるような奴だからな


「(ホント、変な奴だったな…)」


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(それに、それを真顔でするんだからなぁ)
(うん…不思議な感じだった)

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