驚きと感動 ページ21
秋組、舞台公演当日
Aは、会場へと足を運んでいた
『まもなく開演致します
来場のお客様にお願いがございますーー』
会場アナウンスが聞こえる
Aはドキドキしていた
「(お芝居なんて初めて聞く…いや、今まで練習で聞かせてもらってたんだけど…
それでもやっぱり、本番ってドキドキするなぁ)」
少し早い心臓の動悸をそのままに
幕は上がった
ーーー
「やっぱり秋組最高だね」
「うんうん!兵頭くんも万里くんも皆格好よかった〜」
「…」
幕は下り、客は全員帰り支度をしていた
ちらほらと聴こえてくる芝居の感想を少し聞きながら、Aは帰り支度ををする訳でもなく、ただただ座っている
「(すご、かった…)」
きっと、皆の芝居は凄かったのだろう
見たくても見えなかったけれど、殺陣、というアクションシーンがあったのは、舞台の床を思い切りふむ音で分かった
けど、何より、本当に
【見えなくても、見えた】のだ
耳で、聴いただけなのに、もうその場に物語が見えて
イメージが頭に浮かぶのだ
このキャラが、こうしていて、それに対して相手がこういう行動をとっていると
心が震えるというのはこういうことを言うのだろうか
冷めぬ興奮、震えた耳、立つ鳥肌
生まれて初めての経験に、Aはまだ慣れずにいた
ーーー
「…Aは?」
「あ?」
最後のファンとの握手を済ませ、秋組はやっと肩の力を抜いていた
しかし万里は、まだ見ぬ友人の姿を探していた
「あ、そう言えばAちゃんまだ見てないね」
「舞台には来てくれてたっすよね!俺っち見たっす!!」
「俺も」
「もしかして、会場で迷ってるとか…?」
「…(A)」
Aが来ず、ソワソワしている万里の背中を、左京は思い切り叩いて、押した
「見つけてこい」
「えっ、でも片付け」
「おめェがいなくても出来る」
「大丈夫ッスよ万ちゃん!」
「早く行ってこい、Aちゃんは一人で困ってるかもしれないぞ万里」
そう言って早く行けと言ってくれる秋組の仲間達に万里は感謝して
「さんきゅ」
なるべく周りのスタッフに迷惑にならないように早足でAを探しに出かけた
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紅葉-くれは- - めっちゃいい話しだった…(;д;) (2018年3月25日 0時) (レス) id: 42f83da7c4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみすみ(プロフ) - 一言いいですか...。最高でした!!! (2018年3月24日 23時) (レス) id: 43e6e1321d (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 続き気になります!更新頑張ってください♪ (2017年5月25日 18時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お嬢(眼鏡野郎) | 作成日時:2017年5月23日 19時