検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:89,996 hit

少しの欲 ページ16

家に帰り

Aは部屋に戻って、ベットに寝転がった

「はー……」

最近、毎日が楽しい

学校に行くのが楽しみで

お昼休みが、来るのが待ち遠しくって

稽古を見るのも、楽しかった

携帯の、連絡帳にも

名前が増えた


「それもこれも全部

万里くんのお陰だなぁ…」

あの日、雨の日

万里くんと出会ってから

退屈で、何も見えない真っ暗な世界に

一つ、光が点った気がした

その時、ふとAは思った


ーー彼は、どんな顔をしているのだろう


きっと、美形なんだろう

実は万里の噂は結構知り合う前から知っていた

声が高めのクラスの人達が

「万里くんかっこいい〜」

って言っているのをよく聞いていたから


そう思うと、知り合ったのって奇跡で

その奇跡は、とても有難いもので

「うん、わたしってしあわせものなんだなぁ」


万里の顔を想像するたび

ふつふつと湧き上がってくる欲

ーー彼の顔を、見たい



「…ふむ」

久々に湧き上がってきた欲

そしてAはベットから起き上がり

机の引き出しを探し、何個か開け

点字で打たれた一つの紙を掴んだ


「…考えてみようかなぁ」



さらりと紙の点字を指でなぞり

少し微笑んでAは

風呂に入るために、部屋から出た


ーー


次の日の満開カンパニーで

Aは秋組の稽古を聞いていた

「…どうだった?」

古市がAに聞くと

Aは微笑んで拍手をする


「前より凄くわかりやすいです!

特に終盤のシーン!鮮明に映像のように浮かんできます!」

「…そうか」

「やったっすー!!」


Aの言葉に秋組全員の顔が綻ぶ

その声の様子に、Aも嬉しそうだ

そして、また欲が、ふつふつと湧き上がってくる


ーーあぁ、この人たちの演技を生で見てみたい


「(私ってこんな欲深かったっけなぁ…)」

ぎゅっと膝の上にある手を握りしめ

Aはまた、皆の様子を微笑んで見ていた


「…」

触れる→←恋をしています



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (260 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
508人がお気に入り
設定タグ:A3! , 摂津万里 , えーすりー!
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

紅葉-くれは- - めっちゃいい話しだった…(;д;) (2018年3月25日 0時) (レス) id: 42f83da7c4 (このIDを非表示/違反報告)
ますみすみ(プロフ) - 一言いいですか...。最高でした!!! (2018年3月24日 23時) (レス) id: 43e6e1321d (このIDを非表示/違反報告)
ハナ - 続き気になります!更新頑張ってください♪ (2017年5月25日 18時) (レス) id: 00707a52c1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お嬢(眼鏡野郎) | 作成日時:2017年5月23日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。