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へぇ、メロンパン号意外と広い。
今日は当番 ⋯ つまり初メロンパン号!
デザインは中々強烈、文句を言える立場では無いけど ⋯ 。
「 じゃあ伊吹は運転 ⋯ 伊咲!聞いてるか? 」
志摩の声が聞こえ、メロンパン号の探索を中止する。
後ろから外に出るも、志摩の姿は見当たらない。
んんん?どこいった。
『 あ、いた 』
「 “あ、いた”じゃないだろ ⋯ 聞いてたか?話 」
『 うん、名前呼んだよね? 』
「 ⋯ いいか、よく聞けよこれで最後だからな 」
『 はいはーい 』
また適当な返事を ⋯ と志摩のお小言が始まる。
どうせ後で聞いても答えてくれるくせに、怒りん坊め。
はい、と返事をすればため息が返ってきた。
「 今日は伊吹が運転、だから伊咲は後ろ、分かったか? 」
『 はーい!運転任せたよ、伊吹君 』
「 もっちろん、任されましたっ 」
伊吹君に声をかければ、グーマーク。
それに同じように返し、車両へ乗り込む。
これ、自転車あるのいいね。
なんて、物色していれば二人も車の中に。
「 _ じゃっ、出発しまーす 」
本部への連絡を終え、出発した。
車に揺られ数分 ⋯ 無線も鳴らないし、平和ぁ。
「 なぁ、伊吹と伊咲って呼びにくくないか? 」
突然投げかけられた質問。
それは私も思ってた。
『 似てるな〜とは 』
「 あっ、やっぱ?俺も俺も! 」
『 最初と最後の音、一緒だもんね 』
「 そうそう、まっでも俺たちお互いしか呼ばないからなぁ 」
『 だね、私たちは問題なしっ 』
「 ⋯ 呼びにくい 」
『 じゃ、私のこと名前で呼ぶ? ⋯ ゆづちゃんも陣さんも私のこと名前で呼んでるよ 』
まっ、ホントは昔名前で呼ぶよう頼んだ筈だけど。
志摩ガン無視で苗字呼びだったからね。
「 あぁ ⋯ だからあの人たち何も言わなかったのか 」
「 えーっ!ねぇ伊咲さん、俺も名前で呼んでいい?俺だけ苗字呼びなの寂しい 」
『 いいよ〜? 』
「 お前は苗字のままでいいだろ 」
「 Aちゃんがいいって言ってるからいいんです〜 」
「 早速かよ 」
なんだお前、と続けて呆れた声。
体ごと横にずらし、ミラーを見る。
目が合った、けど ⋯ くすりともしない。
一未さーん?相変わらず無愛想ね。
『 ちょいと一未さん? 』
「 ⋯ なんだ 」
『 あのですね?伊吹君は早速名前呼んでくれたでしょ? 』
「 ⋯ だから? 」
『 志摩は、呼んでくれないの? 』
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作者名:たなか | 作成日時:2023年12月9日 18時