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[ 田辺夫妻には確かに息子がいた ]
[ 名前は田辺秀則、だけどもう死んでる ]
「 死んでる? 」
[ 高一の時に自 殺した、12年前の今日だ ]
情報はそれだけ、一応メモ取ったけど要らなかったかな。
まっないに越したことはない、それに ⋯ 。
「 A、メモ取ったか 」
『 ばっちり 』
「 えっ、Aちゃん ⋯ きゅるってしてて?仕事もできて?って最強じゃ〜ん 」
『 志摩のメモ魔が移ったの、すーぐメモメモ言うから 』
「 分かるぅ〜メモメモ魔人だよね、本当 ⋯ ん?どしたの、志摩ちゃん 」
「 ちょっと待ってろ 」
『 あっ、志摩志摩、これ 』
「 ⋯ あぁ、ありがとな 」
装飾としてドアにかかってた国旗を渡す。
やっぱり必要だったよね。
受け取った志摩がドアを開け、下りていった。
「 なに渡したの? 」
『 引っかかってたゴミ、ってとこかな 』
「 ん?どゆこと? 」
『 ⋯ あれを理由に盗聴するってこと!伊吹君、スマホ借りていい? 』
「 え?いいけど ⋯ はい、どーぞ 」
『 ありがと〜 』
手渡して貰った丁度、志摩が戻ってきた。
「 どうだった? 」
「 服装一致、凶器らしきものを握ってるのも見えた、恐らく加々見だ 」
「 ほら、見ろ〜 」
『 ビンゴだね、伊吹君 』
「 車内にボイスレコーダー置いてきた 」
出た、“ボイスレコーダー”。
志摩と組んだのは何年も前、なのに覚えてるのは幾度となく聞いたから。
「 録音した音声をブルートゥースでこっちに飛ばして同時に再生する 」
「 まじで?Aちゃん正解じゃん 」
「 “正解”? 」
「 さっきAちゃんが盗聴しに行ったって、やるねぇ違法捜査 」
「 違法じゃない、拉致監 禁が現在進行形で起こってるとすれば状況把握に必要な処置となる 」
懐かしっ、私も似たようなこと言われたなぁ。
「 ふ〜ん 」
「 被害者の安否が確保できるまで、このまま尾行追跡 」
「 りょーかい! 」
『 車間距離注意ね、10m以内じゃないと接続出来ない 』
「 えっ、そうなの、もっと早く言ってよ〜 」
そう言えば、ブレーキが踏まれる。
「 法定速度 ⋯ A、よく覚えてたな接続距離 」
『 何度も怒られたからね ⋯ あとこれ伊吹君の、私はメモ取るから電話はこっちで 』
私のスマホ借りるつもりだろうから。
と、前もって伊吹君のを貸してもらったけど ⋯ 。
正解だったらしい、電話をかけ始めた。
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作者名:たなか | 作成日時:2023年12月9日 18時