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「 機捜404から1機捜本部 」
「 こちら志摩です、隊長をお願いします、どうぞ 」
[ こちら1機捜本部、桔梗ですどうぞ ]
「 西森の殺しの現場から逃走した容疑者が乗っているかもしれない車両を見つけたかもしれないって言ってる奴が隣にいます 」
「 “かもかも”かよ 」
『 “かもかも”だね 』
「 ⋯ あと、後ろにも 」
しれっ、と私まで ⋯ !
ミラー越しに睨みつけるが、小馬鹿にしたように笑われるだけ。
[ ⋯ ふんわりしてんな ]
「 対象車両は、品川2文字 数字100平和の“へ”27-77 」
「 確認のため追尾許可をお願いします 」
「 お願いします! 」
「 どうぞ 」
「 どうぞ! 」
志摩の言葉を伊吹君が復唱する。
そんなことしてるとゆづちゃんに怒られるぞ。
[ 追尾を許可する、くれぐれも慎重に ]
「 は〜い、了解! 」
『 ありがとうございます! 』
「 くれぐれも、慎重に 」
今度はゆづちゃんの言葉を志摩が念を押すように復唱した。
廃車にした奴が言う???って感じだけどね。
『 慎重に!任せたよ、伊吹君! 』
「 合点承知の助! 」
古くない? ⋯ 同い歳だけどさ。
これで心置きなく後ろを着いていける。
身を捩り、前を見る伊吹君に問いかける。
『 ⋯ どう?いそう? 』
「 うん、やっぱ乗ってるよ3人目、頭がちらちら見える 」
『 服の色は? 』
「 ⋯ までは見えねぇな 」
まっ、だよね。
うぅん ⋯ 手っ取り早く確認したいのに。
「 前出て止める? 」
『 ⋯ どうやって? 』
「 ぶつければ止まるっしょ 」
『 こら、また廃車にする気か 』
「 “こら”?え〜!!怒り方まで優しいの??? 」
「 そこじゃない、ふざけるなって言ってんだよ 」
『 私ふざけるなとは言ってないよ 』
一未さん、どんな訳し方してんの。
でも廃車なんてホントに有り得ない。
二台も廃車 ⋯ また奥多摩に左遷かな。
ゆづちゃんが折角作ってくれた機会を無駄にはできない。
「 次はないって言われたろ 」
「 ⋯ だよね〜 」
「 まだ犯人かも分かんないのに 」
「 だから犯人だって言ってんじゃん 」
『 だとしたら、尚のこと慎重に動かなきゃ 』
『 刺激するのは逆効果 』
「 相手が車から降りるまで待つ 」
「 ⋯ 超消極的解決 」
『「 安全な解決 」』
道を曲がると、耳に入る警笛。
身を乗り出し、その音の正体が目の前に。
んん ⋯ 本当に運がない。
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作者名:たなか | 作成日時:2023年12月9日 18時