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スコッチの位牌の前に、二人で並ぶ。
「叱ってくれるそうだ」
「叱らなくちゃね」
言葉にすると、妙におかしなものだった。
肩を並べ、片手にはグラスを持ったまま肩を震わせる。それがいつしか押しとどめた声になり、そして声を押しとどめなくなった。
ケラケラと笑う二人を、黒田と夏見が遠くで見守る。彼らもまた、小さく笑っていた。
「夏見、お前どうしてあの日加々美を殺さなかった」
「だってあいつ、すっごい目が似てたんだよ」
シャンパンの入ったグラスを傾けて、夏見が笑う。
「若い頃の秋本に。尖ってただろ、あの時のあいつ。オレの虎は、それをオブラートで何重にも何重にも巻いて隠した目をしてた。オレには隠せて無かったけど。だからだろうな」
「そうか」
「殺さなくて正解だっただろ？ あいつのおかげで二大勢力って言われてた世界規模の組織は二つとも潰せた。うちのトラちゃんは、優秀だったからな」
シャンパンを揺らす。しゃわわ、と軽やかに弾ける音が雨音によく似ていた。
終
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◎たなは◎(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます…………告白されてしまった（違う） (2018年5月14日 6時) (
レス) id: b9c1cce9d4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - すきです………（すきです） (2018年5月14日 0時) (レス) id: f18f805e19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：◎たなは◎
| 作成日時：2018年5月13日 18時
