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 死亡確定がAの家族に告げられた時、そこにはスコッチも零も一緒にいた。引き取り手である両親の希望だった。

遺品として警察から渡されたものは、ひん曲がって歪な形になった図書貸し出しカードと、カバンの中にあった鍵だけ。

「事件現場のすぐ近くにいたようで、遺品はこれだけしか回収できませんでした。遺体の方ですが、ほぼ爆発によって飛散してしまい現在あるのが左足のみです」

 箱に入れられた左足を受け取ったAの母親はその場で泣き崩れ、母親の肩を抱く父親も悔しそうに唇を噛んでいた。

「降谷くん、緑川くん。私は、この子の足だけなんて見れない。貴方達が先に見てくれるかしら」

 受け取った箱は重かった。腐らないように冷蔵保存されているらしい。開けた箱はヒヤリとしていて、スコッチも零も恐る恐る箱の中の布を取った。

「あ…………」

 そこにあったのは、Aの足だった。靴も靴下も、煤汚れているが、白い足にある傷だけはまるで今できたように艶やかで美しかった。
スコッチの声が絶望に染まっている。

「ゼロ、これは、Aの」
「あぁ…………あぁ、そうだ。Aのものだ。靴下も、靴も、そうだ」

 声を殺して泣き叫ぶAの母親。唇が切れていることに気づかない父親。

しかし、零の目からもスコッチの目からも、涙は出なかった。あるのは、胸の内にある重い重い感情だけ。

「スコッチ」
「なあゼロ。俺はきっとお前と同じことを考えている気がする」
「あぁ僕もだ」
「俺たちは、Aを守れなかった」
「僕たちは、Aを一人にしてしまった」

 零は、冷たい冷たい足を腕に抱えた。スコッチが零ごと足を抱きしめる。この時、二人は道を決めた。

窓の外は大雨だった。まるでAの死を偲ぶかのように泣き続ける空は、その日から丸三日、泣き続けた。

 

 数年後、彼らが身につける制服はブレザーから鮮やかな、晴れた空色の制服になる。

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◎たなは◎(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます…………告白されてしまった(違う) (2018年5月14日 6時) (レス) id: b9c1cce9d4 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - すきです………(すきです) (2018年5月14日 0時) (レス) id: f18f805e19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:◎たなは◎ | 作成日時:2018年5月13日 18時

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