パーティー会場 ページ2
その日はFBIとの合同捜査が終結祝いパーティーが東都ホテルで行われていた。各種のメンバーが揃いに揃い、豪華な顔ぶれで行われたパーティーには多くの参加者が集い、酒を酌み交わしながら慰労の言葉を挟みながらも話に花を咲かせていた。
パーティーが終わると、FBIメンバーはホテルに部屋を手配してあるためそのままホテルへ宿泊。他のメンバー達は東都ホテルから解散となった。上層部含めた上司を送り出し、挨拶を含めて頭を下げた後には疲労感が残る。
お疲れ、と同期の降谷に肩を叩かれて、
「お疲れ。あれだけ酒瓶が空いたのに相変わらずのザルっぷりだね」
「そういうお前もだ。見たぞ、何人潰したんだ今日は」
「さぁ…………」
「お前シラフなのか常に酒入ってんのか微妙な性格だよな」
「今私喧嘩を売られているのかしら」
ガランとした会場を見渡してため息をつくと、降谷が「あぁそうだ」とスラックスのポケットを探った。
何かを掴んで、壬生に手渡す。カサついたものが手元にやってきた。
「何これ。煙草?」
「赤井が落としていった」
「中身まだ二本しか吸ってないよ、これ」
「勿体無いから返しておいてくれ」
手のひらで寝そべるショッポを眺めてから、これがいつも彼の胸ポケットに入っているのかと思い出して薄く笑みがこぼれるのを飲み込んだ。
「降谷が行かない理由は」
「嫌いだから」
「まだ嫌いか。この前の和解はなんだったの」
「あれは形式上だろ」
組織壊滅後、真実を打ち明けられた降谷は一時期それこそ目も当てられない程に衰弱した。しかし、仕事は溜まる一方で、彼もその周りも状況を理解していた。そのために双方のボスと上司が手を組み合って和解を提案。公式的な形で和解成立をさせたのが、つい数ヶ月前だ。
「あの和親宣言、上層部の一部で『仲直り会』って呼ばれてるって知ってた?」
「それならお前も上層部の一部で『壬生浪』って呼ばれてたぞ」
「あぁそれどうせ秋本さんあたりが言い始めたことでしょ」
壬生は手にした煙草を胸ポケットへしまってから、降谷を睨むと首をすくめられた。大変わざとらしく。
「これ返してくるから。お疲れ」
「あぁお疲れ」
じゃあな、とひらり手を上げた、たった一人の同期に笑顔を残した、壬生は彼氏である赤井秀一の滞在する部屋に向かうエレベーターへ乗り込んだ。
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名無し - 中途半端な終わり方で残念 (2020年11月29日 4時) (レス) id: 00f63b334e (このIDを非表示/違反報告)
kyouka(プロフ) - こちらはもう更新されないのでしょうか?面白かったので楽しみにしていたのですが、もうずっと更新されないまま他作品を始めてしまわれたみたいなので…できればまた再開してほしいです。お待ちしてますm(_ _)m (2018年9月8日 1時) (レス) id: 5e916ee117 (このIDを非表示/違反報告)
ドリィ(プロフ) - ◎たなは◎さんの書く赤井さんシリーズ大好きです!いつも楽しく読ませて頂いています。勿論、「ぼくたち無能なので。」も読んでます!更新が止まっているので、心配してます。無理せず頑張ってくださいね!これからも楽しみしてます。 (2018年7月5日 23時) (レス) id: 3c15da6a86 (このIDを非表示/違反報告)
◎たなは◎(プロフ) - つばささん» 初めましてたなはです。私はつばささんのコメントを見てニコニコが止まりません。嬉しいです。ありがとうございます。 (2018年6月23日 22時) (レス) id: b9c1cce9d4 (このIDを非表示/違反報告)
◎たなは◎(プロフ) - れおさん» ありがとうございます。笑いをお届けできて嬉しいです。更新お待たせしてしまいすみません。これからもどうぞよろしくお願いします! (2018年6月23日 22時) (レス) id: b9c1cce9d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:◎たなは◎ | 作成日時:2018年5月20日 9時