27 期待 ページ27
side Shp
西尾さんが黒崎さんご飯に誘っている。
何となく見ていたが意外にも黒崎さんは快く笑顔で行くと返事をしていた。
喫煙所のときとデスクにいるときの差が激しいんやな。
見とる感じ喫煙所の方が素っぽいけど。
トントンさんに報告すると手が空いているのはゾムさんだけらしく、2人きりで黒崎さん達の隣の個室に入った。
流石に今は食害せんやろ、と思ったのが悪かった。
俺の目の前の机には乗り切らないほどのお皿が敷き詰められている。
「ゾ、ゾムさん。」
「なんやショッピ君、2人の話聞こえへんで？」
そう言われると口答え出来ないので、なんでもないっす、としか答えられなかった。
今の状況は、黒崎さん達がいる側に2人で並んで座ってる状態。
既に何回か店員さんには見られているが、どの人も困惑した顔をしていたのは確かだ。
ほんまに個室でよかったと思う。
暫く黙って聞き耳を立てていたが、注文を取った後はなかなか話し声が聞こえへん。
しかし、その沈黙はある言葉で破られた。
「私ね、ショッピ君が好きなんだぁ。」
その言葉を聞いた瞬間、ゾムさんが肩をピクッと動かしたのに気付いた。
話の続きを聴く為か、何も聞いてはこーへんかったけど…
…はぁ、後から面倒臭くなりそうや。
「黒崎さんって煙草吸うでしょ？ショッピ君も吸うから、何か接点あったりしないのかなぁって思って。」
女って心底面倒臭い人種やと思う。なんでそんなことを気にするのか訳が分からない。
でも、なぜかこの質問に黒崎さんがどう答えるんかは気になった。
自分のことをどう思ってるか知れる、から？
『えっと、接点とかは全然ないよ。一緒に吸ってる時もあるけど、ほぼ喋んないし…』
「そっか…そうだよね。ごめんね、変なこと聞いて！」
ほぼ喋らん、か。
この前のはカウントされてへんのかな。
この人の言葉に何かを期待してる自分がおる。
俺と黒崎さんはただの同僚。ただ同じ場所で煙草を吸うだけの関係。これ以上も以下もないのに何を期待するのか。
クソ、煙草吸いたい。
あかん、横にあるのは嫌煙家のゾムさんや。
イライラと戸惑いとでぐちゃぐちゃしている頭を落ち着かせようと、一つ深い息を溢した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
田那(プロフ) - すみれいんさん» すみれいんさんありがとうございます…！めちゃめちゃ励みになります！ほんま感謝しかありません。がんばります！ (2020年5月24日 12時) (
レス) id: f75390a3fa (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫ですよ！都合もありますし、筆が進まないこともありますでしょうし…。読み返しもできます！なので無理のないよう、自分を追い込まないよう頑張ってください！ (2020年5月24日 6時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
田那(プロフ) - くうさん» くーちゃんありがとう。遅くなってごめん！そう言ってもらえるととても有り難い…！頑張るね！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 93fd3d14e4 (このIDを非表示/違反報告)
田那(プロフ) - ヨシフさんコメントありがとうございます。返信遅れてしまいすみません。とても嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 93fd3d14e4 (このIDを非表示/違反報告)
くう(プロフ) - ﾝﾝﾝﾝすき……自分のペースでええからね……浮かんでこーへん時ってあるよね……また待ってる……… (2019年5月8日 23時) (レス) id: 295f716bc6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
