23 マルかバツか ページ23
side Sha
あのあと明らかに泣いているAの声を聞いて、今すぐ抱きしめに行きたい気持ちを抑えて家に帰った。
「…ただいま」
誰もいない自分の部屋に向かって呟き、電気のスイッチに手を触れた、とき、
「おかえりシャオロン」
不思議なことに返事が返ってきた。
慌てて顔を上げるといつもと変わらん様子のトントンがいる。
いまいち状況が飲み込めてはなかったけど、さっきのことで頭が回らんくてあぁ、と変な返事をしてしまった。
「ロボロたちから聞いてな。よってみたんや。」
俺が聞くより先にトントンは答えてくれた。
しかもロボロたちにまで心配させてたんやな。
これ貰ってから来るの初めてやな、と渡しておいた合鍵をくるくると指で回しながらトントンは笑った。
いつもの俺の調子で返したかったが、俺の口からはなんも出てこん。
「急に来てすまんな。とりあえずビール飲もうぜ。」
「おう、せやな」
素っ気なさすぎる返答しかできんくてトントンに申し訳なかったが、アルコールが入ればそれは別。
俺は全てをトントンに話した。
Aの名前まで、全部。
ーーーーーーーーーー
side A
『、、っく、ふっ、、うぅ、、、』
あれからどれだけ時間が経ったから分からない。
それでも、私の涙は止まらなかった。
______________
「そっか…それなら、よかったわ」
呟かれた彼の言葉には、安堵が含まれていた。
ﾁｬﾘｯ...
鍵の音が聞こえ、つい身構えてしまう。
ドアが開けられる、？
その音は予想とは裏腹に地面に置かれる音がした。
「この合鍵、ここ置いとくわ。またちゃんと話せたときに渡してや。もう家に押しかける様なこともせぇへん。
俺はAのこと待つで。」
おやすみ、とシャオくんは行ってしまった。
ドアを開けると鍵と飴が置いてあった。
なんで、こんな優しいことをするの…
『これじゃ、嫌いになれないよ、、』
部屋に戻ると、ぺたん、と座り込んでしまった。
ふと時計を見ると、短針は3を指している。
もうこんな時間、
今日も、仕事だ。
…こんな時にまで仕事の事を考えている自分が嫌になった。
シャオくんの優しさを踏みにじってるじゃないか。
シャオくん、私はこんな人間なんだよ。
もう、どうしたらいいか分かんない。
何も考えたくない。
今日は、休もう。
.
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田那(プロフ) - すみれいんさん» すみれいんさんありがとうございます…！めちゃめちゃ励みになります！ほんま感謝しかありません。がんばります！ (2020年5月24日 12時) (
レス) id: f75390a3fa (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - ゆっくりでも大丈夫ですよ！都合もありますし、筆が進まないこともありますでしょうし…。読み返しもできます！なので無理のないよう、自分を追い込まないよう頑張ってください！ (2020年5月24日 6時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
田那(プロフ) - くうさん» くーちゃんありがとう。遅くなってごめん！そう言ってもらえるととても有り難い…！頑張るね！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 93fd3d14e4 (このIDを非表示/違反報告)
田那(プロフ) - ヨシフさんコメントありがとうございます。返信遅れてしまいすみません。とても嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月5日 22時) (レス) id: 93fd3d14e4 (このIDを非表示/違反報告)
くう(プロフ) - ﾝﾝﾝﾝすき……自分のペースでええからね……浮かんでこーへん時ってあるよね……また待ってる……… (2019年5月8日 23時) (レス) id: 295f716bc6 (このIDを非表示/違反報告)
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