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式の後クラスでのホームルームが終わると、
私の席まで来たナナちゃんが「今朝、何かあったの？」と
心配そうな顔でやって来た。
高校に入ってから仲良くなった彼女は
ちょっと天然でおっとりしていて、一緒にいると癒やされる。
家も近くないし、頻繁に遊んだりするわけではないけれど
学校ではたいていの行動を共にしている大切な友だちだ。
「ちょっと寝坊しちゃったんだ。あと、道に迷ってる人に会ったの」
そう答えると、「道に迷ってる人？」と言って可笑しそうに笑う。
笑うと小動物みたいに愛らしい円い目が細められて、
染めていないのに栗毛色っぽいふわふわの髪の毛が
楽しそうに揺れるのがかわいらしい。
「うん。編入してきた2年の先輩が迷ってたんだけど、
全然焦ってなくて、猫と遊んでたの」
始業式で見た先輩の笑顔を思い出しながら言うと、
「へぇ〜！猫いたの？ いいなぁ〜」
と予想外のところに興味を示してくれる。
「……っふふ、そこ2人は相変わらず平和な会話してんな！」
近くの席の神宮寺くんにも会話が聞こえていたみたいで、
そう笑われてしまった。
「ぐうじくんは、平和じゃないんだ？」
彼と同じ中学のナナちゃんがそう言うと、
「実は、宿題終わってない。笑」
と何故か爽やかスマイルで答えるから、私たちまで笑ってしまう。
「ちゃんとやってそうなのに。笑」
「うん。ぐうじくん、中学のときは自由研究しないでネットの写真貼ってたもん」
「アレは、出すことに意味があるじゃん？笑」
そんなとりとめもない会話をしていれば
「Aちゃん！」と学級委員のフミちゃんに廊下の方から呼ばれた。
彼女の方に顔を向けると、「先輩が呼んでるよ」と教えてくれる。
私にとっての先輩と言えば
週1で活動している家庭科調理部の先輩しかいない。
部のLINEグループで連絡することが多いから、
直接呼ばれるとなると少し緊張するな……。
活動頻度が少ないうえに人数は多めだから、
まだ話したことのない先輩かもしれないし。
そんなことを考えながら少し身構えて廊下に出れば、
「沖ちゃん」
と私の名前を呼んだのは、
今朝初めて会ったまだ名前も知らない彼だった。
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夜木(プロフ) - こぐまさん» ありがとうございます！私の-S.Hirano-作品は完結した試しがないですが、温かい目で見守っていただけると嬉しいです……(^^;; (2020年7月8日 19時) (
レス) id: 3ad168143d (このIDを非表示/違反報告)
こぐま(プロフ) - 新作〜♪楽しみにしてます！！ (2020年7月7日 23時) (レス) id: 0a8e78817c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜木 | 作成日時：2020年7月7日 23時
