7話 ページ8
｢……トントンさん。｣
食堂の扉の前。
私はどうしても先にやっておきたいことがあった。
ト｢なんや？｣
｢食堂に、鬱先生はいらっしゃいますか？｣
ト｢！あいつ…もう手ぇ出したんか…
やっぱ1度粛清せなあかんな…｣
黒いオーラを放つトントンさんを全力で止める。
彼は何もしていない。
傷つけたのは私なのだから…。
｢違うんです！私が…あの人を傷つけたんです。
だから謝りたいんです。｣
ト｢…？そ、そうか。まぁ、大先生なら許してくれると思うんやけど…。
この時間やと食堂近くのバルコニーで煙草でも吸うとるんやないかな。｣
トントンさんの指さした方向を見ると、長い廊下に月明かりが差し込んでいた。
そのうちの一つだけカーテンがはためいていた。
｢ありがとうございます。ちょっと、先にお話してきても良いですか？｣
ト｢ええよ。多分食堂には全員は集まっとらんから。ついでにそのまま大先生連れてきてくれや。｣
｢分かりました。ありがとうございます。｣
ーーーー
鬱先生視点
廊下を走る音が聞こえる。
そろそろ夕飯の時間やな…。
誰か呼びに来てくれたんかなぁ…。
なんて呑気に考えつつ煙を吐く。
鬱｢誰や〜？今日呼びに来てくれたんわ。｣
｢大変申し訳ないのですが私です｣
鬱｢……え？｣
振り返るとそこにはあの時の女の子がおった。
昼間とは違う目をしている。
彼女は俺の目をまっすぐ見つめてくる。
鬱｢えっと…さっきの、あの時の子やんな。｣
｢はい。Aと申します。
あなたとお話がしたかったんです。｣
そんな真っ直ぐな瞳で俺を見んといて。
ホンマにあの時の暗い目をしてた子なんか？
何となくいたたまれなくなって｢なんや？愛の告白ならいつでも歓迎やで？｣なんておちゃらけで見せる。
｢…先程は本当にごめんなさい……。｣
彼女は全てを打ち明けてくれた。
人を殺してしまった手で俺に触れたくなかった事。
そしてその理由。
なんや…。
普通の女の子やん…。
鬱｢ちゃうよ…。俺が悪いんや。｣
｢え…？｣
鬱｢俺なぁ。初対面のくせにAちゃんのこと暗い目をした子やなって思ってしもたんや。
今までにあったことのないタイプやったし、勝手に苦手意識を持ってしもて…。
ごめんな。｣
人を傷つけたくない。その一心で拒んどったんか。
勝手に苦手意識持って、どう接するべきかわからず自分から壁を作った。
ほんま最低や…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 141人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨々(プロフ) - あんこさん» あんこ様。ご指摘ありがとうございます！訂正させていただきます…。大変失礼致しました。 (2019年5月20日 1時) (
レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - あのぅ、9話のアイフォート、じゃなくて、アイホートじゃないですか？ (違ったらすみません) (2019年5月19日 22時) (レス) id: 9d9eb47659 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» ありがとうございます！！やはり鬱先生にはその気質があるように思えるのです…。これから番外編でもそんな感じの先生を書いて行きたいな…と考えておりますw (2019年4月10日 23時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 完結おめでとうございます！関係ないですけどMな鬱先生にピーーをしてから<自主規制>して<自主規制>にｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞして真っ赤な顔にピーした…おっと誰か来たようだ (2019年4月10日 23時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 琴葉さん» ありがとうございます！！グダグダの文章で読みにくくてすみませんでした…！ファン！？ありがとうございます！！泣 (2019年4月10日 22時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夕凪
| 作成日時：2019年4月5日 15時
