ナンパ願望【赤髪のとも】 ページ10
「…ナンパされてみたい」
彼の家でくつろいでいる中、唐突につぶやいた言葉。
彼はそれを心底驚いた様で手に持っていたスマホを落とした。
と「え、ちょ。どゆこと!?」
「んー…。街中でナンパされる子が羨ましいなって」
と「え…イケメンに声掛けられたいって事?」
「そう…だね。」
と「無理だな」
「は!?」
さっきまでの驚いた顔はどこに行った。
今度はバカにしたような顔をしている。
くそ…
「何。私はモテないとでも言いたい訳?
いいですよー。ともさんなんかよりずっとイケメンな人と付き合ってやる」
と「っ…やめろ。
俺以外の男と付き合うなんて言うな」
「と、ともさん…?」
どうやら彼は意外と顔に出るタイプらしい。
先程から表情がコロコロとよく変わる。
今は…悔しそうな寂しそうな顔。
「…冗談だよともさん。
私はともさんが大好きだから。
ただ、なんで一般人の私なんかを選んだのか疑問に思っただけだよ。
ナンパされた経験なんてない。
彼氏ができたのも、ともさんが初めてだったから。」
不思議だった。
ナンパもされないような地味な私を何故イケメンなともさんが選んだのか。
嫉妬して欲しかった。
基本腹黒だけど、優しくて大切にしてくれている。
だからこそ嫉妬して欲しかった。
ともさんは私の話を聞き終わると、静かに私を抱きしめた。
と「…二度と言わないで。そういうこと。
俺Aちゃんが思っている以上に弱いから。」
「…うん、ごめん。
もう言わないよ。
ありがとうともさん。」
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リア - バステンさんやばいですww更新頑張ってください (2018年3月30日 23時) (レス) id: a2c09791be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨々 | 作成日時:2016年8月31日 0時