肆拾肆頁目 ページ44
監督の新作の映画はホラーチックだった。
目を覚ました5人組の男は見知らぬ洋館にいて…
そこには謎の手記や血痕。
疑心暗鬼になり始めた彼らは次第にお互いを騙し始め、一人の男が鬼と化してしまう…
と言った物語だった。
どうやら2の公開も予定しているらしい。
天｢Aはホラーもいけるんやな｣
｢まあもっと怖い体験してますからね。｣
天｢それもそうやな。｣
今まで監督の映画について語れる人は多くなかったためか、天様との会話は大いに盛り上がった。
本当に監督の映画が大好きなんだな…と実感。
それと同時に、彼はこんなにもよく笑う人なのかと驚愕した。
『俺な、心どっかに落としてきてもうてん。
元から無かったのかもしれへんけどな。
まあそんなんやから、あんまなんも感じひんのや。』
そう話してくれたとある日の事。
彼は心を取り戻すことが出来たのだろう…。
私は、役に立てたのだろうか。
色あせた心を取り戻したきっかけに私は関与しているのだろうか…。
慌ててその思考を振り払った。
少しでも彼の中に私が残れば良い、なんて…重たすぎて吐き気がする。
私の異変に気がついたのだろう。
彼は足を止めこちらを振り返った。
天｢…どした？体調悪いんか？｣
｢そんな事ないですよ。｣
天｢どうやろなぁ。前も無理しとったからなぁ。
あかんかったらすぐに言うんやぞ。｣
コクッと頷くと彼は再び歩を進めた。
天｢はー…うっま。まじ最高やな。｣
焼かれたお肉を頬張った彼はそれはそれは満足そうな顔をした。
とある日にした焼肉へ行くという約束。
久しぶりに食べたお肉の味に思わず箸が止まらなくなった。
気がつけば空いた皿の山が机の半分を埋めつくしている。
慌てて提げていく店員さんにペコッと頭を下げた。
｢あ……天様。｣
天｢ん？｣
｢あの……｣
口に大量に頬張っていたお肉を飲み込んだ彼は『どした？』と声をかけてくれる。
そしてまた肉を頬ばろうと口を開く。
私は私で言葉を紡ぐために口を開いた。
｢ロボロ…さんの方が、良いですか？｣
天｢ぐっ…ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ｣
｢だ、大丈夫ですか！？｣
肉が変なところに入ったようだ。
噎せ続けた彼はお茶で口の中身を流し飲む。
肩で息をした彼は涙の滲む目を丸くした。
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雨々(プロフ) - くれぴとさん» くれぴとさんこんばんは！！最初「んー…rbさん推しじゃないしいいか」で見ていなかったのですが、今年見てまあ沼りましたよね…w声の良さ、演技のうまさが凝縮されまくってて…。最後までお付き合い頂きありがとうございました！ (8月14日 23時) (
レス) id: 518d9995ce (このIDを非表示/違反報告)
くれぴと - 簡潔、おめでとうございまぁす！！！(爆音)やっぱ天落記でrbrンゴ推しになったのはうちだけじゃないですよね安心((それとうちの語彙力じゃいえないけど最高の神作ありがとうございました！！ (8月14日 21時) (レス) @page49 id: e2b452ca9a (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - くれぴとさん» くれぴと様こんばんは！コメント頂きありがとうございます！仕事が繁忙期に入ってしまい更新が少し滞っております…申し訳ございません。今までコメントが来ていなかったので楽しんでいただけているか不安でしたw とても嬉しいコメントありがとうございます！ (7月16日 22時) (レス) id: 518d9995ce (このIDを非表示/違反報告)
くれぴと - 最近見つけたけど原作にも忠実でそれでいていい感じにオリジナル要素(？)をいれててめっちゃすきです！！更新が張ってください！ (7月11日 21時) (レス) id: e2b452ca9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夕凪
| 作成日時：2023年5月27日 23時
