黄色いサンタさん【K】 ページ2
K｢Aー！！！クリスマスだぞ！！！！｣
まるで無邪気な子供のようにはしゃぐ彼は、狭い家の中をドタバタと走る。
それを注意すると彼はどこか嬉しそうに｢えへへ…｣と笑った。
K｢なあなあ！！サンタさん来ると思うか？｣
｢…え？｣
K｢だからぁ、サンタさん！！｣
ちょっと待ってくれ…
30過ぎた大の大人が…サンタさん…だと……
｢きっくん…サンタさん信じてるの…？｣
K｢何言ってんだよ。サンタさんはいるぞ？｣
｢え、えぇ…」
K｢え！？A、サンタさん信じてないのか！？｣
私がおかしいのだろうか…
心底驚いた様子の彼。まさか本当にサンタさんを信じていたとは…
そんな私にお構いなく｢信じてない子にはサンタさん来ないんだぞ！！｣なんてどこか宗教めいた事を言った。
深夜。
何やら物音がした気がして目を覚ます。
今日は収録日だっただろうか…とリビングに向かうも電気はついていない。
｢誰かいるの？｣
再び物音のした方を見ると、うっすらと浮き上がる人影。
照明をつければその人影は｢うわっ｣と叫んだ。
｢え、きっくん？何して…｣
K｢ち、違うぞ！俺はきっくんなんて名前じゃない。｣
｢……どちら様ですか？｣
K｢俺様はサンタクロース･マークIIだ！！｣
マークIIのサンタってなんだ。
サンタなのに俺様ってなんだ。
仮装しようとしてるのはわかるけどなぜ髭だけなんだ。
ツッコミどころは満載だが危うく全て飲み込むことに成功した。
｢それで、サンタさんは何をしているのですか？｣
K｢ふっふっふっ…よくぞ聞いてくれた！！
今日はいつもお世話になっているAにプレゼントを持ってきたんだ！！｣
キャラがブレブレなのもご愛嬌…ということにしておこう。
サンタさんは袋(と言っても紙袋なのだが)から1つの箱を取り出すと、私に差し出した。
K｢メリークリスマス！！｣
うむ、さすが残念なイケメンと言われるだけはある。
物凄く眩しい良い笑顔。思わず心臓がきゅっとなったぞ。
｢ふふ…ありがとう、サンタさん。
でもサンタさん、私が1番欲しいものを理解してないですよ。｣
K｢え…う、うそぉ…｣
｢私が一番欲しいのはきっくんだよ？｣
K｢っ〜！？A大好き！！可愛い事言ってくれるじゃん！！もおおお！！｣
｢あれ？あなたはサンタさんじゃないんですか？｣
そう揶揄えば｢じゃあ俺きっくんになる！｣なんて言い始める始末。
そんな彼が私は愛おしくてたまらない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 146人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あずさ(プロフ) - リクエスト答えていただきありがとうございました！！内容が好きすぎてやばいです！何度も見返しちゃってますwほんとにありがとうございました！これからも楽しみにしてます！ (2020年2月3日 8時) (
レス) id: b3d871341a (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - Yukiさん» お気になさらないでください！でもお気遣いありがとうございます( ´ω` ) こちらこそ楽しんでいただけて何よりでございます！！暖かい言葉ありがとうございます！ (2020年1月20日 0時) (レス) id: 514be053b8 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki(プロフ) - 雨々さん» リク消化ありがとうございます！前のコメントでは挨拶もせず、失礼しました汗いつも楽しく読んでます！これからも応援してます♪ (2020年1月19日 22時) (レス) id: b0c4fe47c2 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 名無しさん» 名無し様こんにちは！畏まりました！！( ´ω` ) 順番に消化していきますので少々お待ちくださいませ (2020年1月18日 10時) (レス) id: 4167835ff9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - リクエスト失礼します。メンバーそれぞれの匂いが好きな主人公の話お願いします。 (2020年1月18日 10時) (レス) id: 8e5d693f3e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夕凪
| 作成日時：2019年12月24日 12時
