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Ep.40 ページ42

あれから何日だったのだろう。
体感的には3日ほどだか…
それもあてにならない。
時間が過ぎれば過ぎるほど頭痛も吐き気も酷くなる。
今では手が痺れ始めている。

「まずいな…」

ここへ連れてこられて、最悪閉じ込められる可能性も視野には入れていた。

だが予想外だったのがこの匂い。
恐らく薬なのだろうが…。
これのせいで予定通りに動けない。

ここにあるはずの薬を入手し、残りは全て爆破。
あとは取引材料に使う。
我々国を狙わないという取引に。

まあ…グルさんに捕らえてもらうつもりではあったけど。



その予定だったのだ。

「これじゃ…誰も守れないじゃん…」

まともに歩けるかも怪しくなってきていた。


ごめんなさい皆…。
役に立てなくて……。

最期にゾム様にもう一度会いたかったかなぁ…。
怒ってるだろうなぁ。
と言うよりこのまま死んでも怒られるだろうな。

死を実感した途端訪れたのは恐怖ではなかった。
謎の諦め。
あー…もういいや…。
そんな気持ち。

死ねば楽になるかな…。









違う。こんなの本音じゃない。
本音はもっと…もっと……

欲張りだ。


「っ……」

一筋の涙が落ちて地面にシミを作る。
本音を求めれば無かったはずの恐怖が溢れでてきた。

そうか…。
あの薬、感覚だけじゃなくて思考も麻痺させる。
どうでも良くなって。
「死ねば楽になる」なんて思考に持っていかれて。

余計なことを考えず楽になれる。
だから幸せになれる薬として出回ったのか。

「怖い……」

恐怖の方がよっぽど人間らしい。

「助けて……」


本音は誰もいない部屋へと消えていく。
よし。泣き言は終わりだ。


「絶対ここから出てやる。」

痺れた手足をなんとか動かし、今まで行うことのなかった部屋の探索を行うことにした。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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