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Ep.34 ページ36

「ロズベルト様の国はどのような国なのですか?」

ロズ「自分で言うのも恥ずかしいのですが、良い国であると自負しております。
国民が皆幸せに生きることの出来る国ですから。」

「【幸福の国】ですものね。」

ロズ「Aさんにとっての幸せとはなんですか?」


私の…幸せ。
それは揺らぐことは無い。
彼の役に立つこと。それだけだ。

だから私は今、これも苦ではない。


たとえそれで嫌われたとしても…
たとえそれで見放されたとしても…



「…友人や大切な人と笑い合える。それだけでしあわせでございます。」

ロズ「なるほど…。」

「申し訳ございません。つまらない回答を…」

ロズ「いやいや。貴重な意見ですから。
その大切な人に僕も入れたら嬉しいです。」


ニコッと微笑む彼。
さすが元が良いだけはある。
後ろの方でメイドがざわついている。

私はと言うと…
彼から発せられる甘い匂いに吐き気がしていた。
長く嗅ぎ続ければめまいを起こしそうな…
そんな匂い。

対談を終え自室に戻ろうとした私は廊下にうずくまった。
ムカムカする。
目眩がすごい。
あの甘い匂いにやはり何かある…。

「っ……」

大丈夫。怖いけど。
やらなきゃ。私が。

そう思っても、体は正直で。
震えが止まらない。

「怖いっ……」

あれに1人で立ち向かうのが本当は怖い。
あんな得体の知れないものを…


?「……どないしたん。」

聞きなれた声。顔を上げるとよく見知った翡翠の彼がいた。
視界がぼやける。彼の顔が見たい。

ゾ「っ!おま、顔真っ青やん!どないしたん!!何があったん!!」

「ゾム…様……っ」

伸ばそうとした手を私は下ろした。
ダメだ。ここで彼に甘えてしまっては…
1人でこの任務をこなさなければ。

「……ど、して、ここに。
もう…見放したのでしょ。
見損なったんでしょ…。」

ゾ「っ…やからって…放っておけるわけ……」

「へぇ…甘いんですね随分と…。
見捨てた部下の心配なんて。
もう…部下じゃないので…。放っておいてください。」

ゾ「なんやねんそれ!!俺がどない心配してると…」

「いつからそんなに情に流されるようになったんですか。
本当にそれで暗殺なんかできるんですか。」

ガンガンと打ち付ける頭の痛みをなんとか我慢し立ち上がる。
彼の隠れた瞳は困惑したように揺れていた。

私はそんな彼を無視するようにその場を去った。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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