【wrwrd】翡翠の竜【zm】

Ep.20 ページ22

(ゾム視点)

ト｢すまんな……。ゾムにばっか、危険な仕事任せて。ほんまにすまん。｣

ゾ｢…トントン。
謝らんでよ…。俺に最も向いてる仕事や。｣

自分が一番わかっている。
誰よりもこの仕事に向いていると。
俺自身も楽しんでいたことを。

だからこそ。自信を持っていた。
俺にしかできない、と。

その仕事を失敗した。
悔しくて仕方がなかった。
無駄な心配をかけてしまった。

ト｢ゾム。抱え込みすぎんなや。
俺達やて望まんことを無理強いするつもりは無い。
やりたくないならやりたくないって言ってええんや。｣

ゾム｢でも俺…！俺、この仕事に誇りを持ってたんや。俺だからできることなんやって。｣

ト｢せやな…。俺達もそう思ってた。
なあゾム。時々思うんや。
なんでこないな世界に産まれたんやろって。

もしかしたらな？
こんな戦いに身を置かず、普通に仕事して。
普通にゲームとかして。皆でバカやって。
そんな世界もあったかもしれへんって俺は思うんや。｣

ゾ｢なんや、それ…｣

ト｢俺もわからへん。もしも、の世界やからな。
けどな。何回考えてもな。
誰かが欠けとるなんてことは無いんよ。
必ずみんなおる。喧嘩もするかもしれへんけど、必ず皆おるんや。

グルさん、大先生、シッマ、シャオさん、オスマン、エミさん、ロボロ、くられ先生、ショッピ君、ペ神、A…
そしてゾム、お前もおる。なんでかわかるか？
友達やろ。俺ら。｣


だから頼ってええんよ？
なんて柄にもなく格好良いこと言いやがって。
｢DTのくせに｣と笑ってやると｢やかましいわ。関係あらへんやろ。｣と突っ込まれた。

ゾ｢友達…せやな…。俺、焦ってたんやな。
仲間のためにならんとって。でも、仲間以前に友達やったな…。
すまんな、トントン。今度飯奢ったるわ｣

ト｢！？いやいやいや大丈夫やから！気持ちだけでええから！！｣

ゾ｢ええねん！！遠慮せんでええよ！！
まずは焼肉やな！！それからマ○ド行ってラーメン食ってそれから…｣

ト｢いやほんまに！！大丈夫やから！！｣


ずっと心の中にあったモヤモヤが無くなった。
久しぶりに笑うことが出来た。
ありがとうな、トントン。
言ってやらんけど、心の中でそう呟いた。

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