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Ep.19 ページ21

(ゾム視点)

傷がだいぶ塞がったようだ。
ペ神から戻って良いと言われ、自分の部屋へと戻った。

あれ以来Aに会っていないと気がつく。
冷たく当たってしまったからなぁ。
謝らんと…。

そう思い、部屋を訪れるも誰もおらず。
食堂。図書館。中庭。あいつの行きそうな場所全てを訪れたが見つからなかった。

シ「ん、ゾムやん。体はもうええんか?」

ゾ「シャオロン。ああ。大丈夫や。
それより、A知らんか?」

シ「ああ。あいつ今おらへんよ」

は?
いないってどういうことだ。
問いただそうとするも、鬱先生に呼ばれシャオロンはその場から去ってしまった。

俺は急いでグルッペンの部屋へと向かう。

ゾ「っ…くっそ。」

だが、本調子ではない体は思ったように言う事聞かない。
階段の途中でしゃがみこんでしまう。
息切れが激しい。
こんなに情けなかったのか…俺。

ト「え…ゾム!?どないした!大丈夫か!!」

ゾ「トントンか…。平気や…大丈夫やから。」

ト「顔真っ青やんけ!ペ神とこ行くか!?」

ゾ「いやほんまに。少し休めば大丈夫やから…。」

トントンは「少し待っとれ!」とその場を去る。
次に戻ってきた時はペットボトルの水を2つ持ってきた。
1本俺に渡してくれる。軽く礼を言い、水に口をつける。

冷たい水の感覚が腹にしみ渡るのを感じる。
そういや俺、ここ数日ろくに飲み食いしてなかったな…。

ト「落ち着いたか…。何があったんや。」

ゾ「Aがおらんくなったって聞いて。グルッペンに確認しに行こうとしてたんや。それだけなんやけど…。

ろくに体が動かんくて。
俺、今回の任務でなんも役に立てんくて。こないなこと、今までなかったのに。
悔しいんや…俺…!何も出来んかった自分に苛立ってるんや…!」

こんな泣き言を言うなんて本当に自分らしくない。
なのにとめどなく流れるそれは地面を濡らしていく。
涙なんて何年も流したこと無かったのに。

トントンは笑うでもなく、叱るでもなく。
ただ黙って話を聞いてくれた。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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