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Ep.10 ページ12

ト「…何があったん」

1週間ほど険悪ムードの私たちに痺れを切らしトントンさんは訪ねた。

「なんでも…ありません…」

ト「嘘つけ。そないなわけないやろ。
喧嘩でもしたん?」


喧嘩ならよかったんだけどなぁ…。
そう思いはるか遠くにいるゾム様を見る。
私が悪かったのはわかってるが、素直に謝れないでいた。

謝っても、私のことを知ってしまったゾム様は今までのようには接してくれないだろう。

ロ「大変や!!」

バァン!!と大きな音を立て戸を開けたロボロさん。

ト「乱暴にすなぁ!」

ロ「ご…ごめん…。て、それどころやないんや。
敵襲や!すぐ近くまで来とる!!」

コ「なんやて!?」

敵襲など珍しい…。
この国に来るのは余程のバカか腕に自信があると思い込むバカか。

久しぶりの敵襲に皆嬉々と準備取り掛かった。



ーーーー

思っていたより多かった。
敵は3手に分かれ、そのうちの2つは正面から。
残りの1つは裏から城に入り込んでいた。

私は裏から入り込んだ軍の相手をしている。
ただし運が悪いことに…
私しかいないのだ。

私は嫌な予感がして1人で城に戻ってしまった。

「くっそ……ちょっときついかな…」

倒しても倒しても湧いて出てくる。
1人で2〜3人を何度も相手しているが、そろそろ体力的にもきつくなってきた。

?「貰ったぁ!!」

「っ…!」

剣を振りかざした敵が後ろから襲いかかる。
私は愛用のナイフで防ぐも、軽く腕を切られてしまう。
それを機に敵は勢い付いた。

(さすがにもう…無理か…)

気がつけばナイフは弾かれ、背後は壁。
目の前には何十人もの敵。
終わった…
そう思った時だった。

ゾ「ふぅーん!しっかりと活躍していくぅ!!」

何十人もいた敵は一斉になぎ払われた。
目の前には何度も見てきた頼りになる背中。

「ゾム様…」

ゾ「なんや…城ぐらししとったやつは弱かったんやなあ」

「な…!うるさいですよ!そんなことわざわざ言いに…」

と、目の前にしゃがみこんだ彼と目が合う。
彼の目は怒っている…のではなく、不安げに揺れていた。
私の腕をとると、傷口を止血してくれた。


ゾ「…………すまん。遅れてもうた」

「え…」

ゾ「何ひとりで突っ走っとんねん。」

「だって…」

ゾ「心配かけさせんなや。」

ふいっと逸らされた視線。
ああ…私は馬鹿だ。

「助けに来てくれてありがとうございます。ゾム様」

廊下の奥から新手が現れる。
ゾム様はぼそっと「…この前は悪かった」と呟き突っ込んで行った。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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