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Ep.8 ページ10

ゾム様が私を避けるようになった。
ここ3日ほどまともに会話をしてくれなくなった。

グ「何したんや…お前…」

思わず関西弁が出てしまうほど呆れた様子のグルさん。
何もしてないはずなんだけどな…


思い当たる節がない…。
ずっと考えているのに…。

「…!ゾム様…?」

ゾ「っ!Aか…え、っと…」

なんとか逃げようとする彼の腕を掴む。
本気を出せば簡単に振り払えるのに、振り払わなかったのは彼の優しさからだろうか。

「私何かしましたか?」

ゾ「ち、ちゃうちゃう!全然!Aのせいやないから!!」

「なら何故避けるのですか…。」

ゾ「えっ……と…。その…。
A…同盟国の…姫、やんな?」

「!?な、何故それを…」

そこまで言ってはっとした。
彼は潜入捜査を得意としている。
そのスキルを活かしイタズラを行うためにダクトに入ることが多い。

この前の話を聞かれていたのだと察した。


「聞いていたんですね…。あの話を…」

ゾ「……す、まん…。
わからんのや。どう接すれば。どう接してきたのか。
わからんくなってもうて…」


ほら。こうなるって知ってたから隠してたのに。
私に最も近かった人が最も遠くなってしまった。
私は彼の腕を離した。
知られてしまった。

「……はは。意気地無し。」

ゾ「は…?」

「そんなに今でどおりに接するのが難しいですか。
そんなにこの肩書きは重宝されるものですか。
こんな肩書きいらなかったのに。」

ゾ「なんやねん、急に…」

「ロボロさんやエミさんのことバカに出来ませんね。いや、鬱先生のことも。
そうやって都合のいい時にだけ構ってもらい来て、都合が悪くなると壁を貼る。」

ゾ「せやから何やねん!さっきから!
八つ当たりもええ加減にせえよ!!」


その通りだ。私は八つ当たりをしている。
ゾム様が悪いんわけじゃない。
悪いのは私だ。

自分のことを隠してきたくせに、それがバレて受け入れてもらえないと怒る。
小さい子じゃないんだから。
なんて情けない。

わかってるのに。

「そんなに私と話すのが嫌なら私を部下から外せばいいのに!!」

ゾ「わかったわ!!そうさせてもらうわ!
そないな我儘な部下要らんわ!!」

そうじゃないのに。
1番近くにいた1番大好きだった人に受け入れてもらえなかったのが辛かっただけ。

空いた口は閉じることを知らない。
思ってもいない事は止めどなく口から溢れでてしまった。

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雨々(プロフ) - 桜猫さん» なんと実はここで50話なんです (2019年5月10日 19時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - あ"あ"ーー!!夢主ちゃぁぁぁん!! (2019年5月10日 17時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» わぁ!!いつも見てくれてありがとう!! (2019年5月7日 20時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)
桜猫(プロフ) - 眼福だぁ~!♪ヽ(´▽`)/ (2019年5月7日 20時) (レス) id: b3a762d464 (このIDを非表示/違反報告)
雨々(プロフ) - 桜猫さん» いぇいいぇい! (2019年5月4日 10時) (レス) id: 67d442b3b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪 | 作成日時:2019年4月14日 2時

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