36 聞きたい 薬研side ページ45
「……取り敢えず、大将達大丈夫か?」
「うわあああああ!!淤御国なんか御免!」
俺は、かなり落ち込んでいる様子の大将達を目の前に座らせ、カウンセリング(?)を行おうとしていた。
大将が、あんな発言をしたあと、茉莉守はなぜか元の茉莉守に戻って、俺達を見たあと、びっくりしたのか逃げて行った。茉莉守にとっちゃ、急に目の前に本丸の刀剣達が大勢現れたような感覚なんだろうな。
そして、大将は「俺が何かヤベェこと言っちまったから、あの淤御国は現れなくなったのか!?俺のせいかな!?なあ薬研!?」と俺の肩を強く揺さぶるし、和泉守達は、「淤御国を怒らせちゃったか!?…怒らせたのか…!?怒らせてしまったのかああああ!?」と酷く沈んじまってるしで、まあ要するに、大混乱状態ってやつだ。
「大将、和泉守達、一旦落ち着けよ」俺はドスの効いた声で、一度場を制した。
「茉莉守の件については、いつかは深入りしなくちゃ手遅れだったことだ。だから、大将の発言は、正しかったし正解だと思う」
「でも、それで淤御国は消えて、元の淤御国に戻ったんだよね?それ程まで、関わって欲しくないことだったんじゃないかな……」
「それは判るけど、『俺は淤御国にとって要らない刃格だから』って、あの淤御国は言ったじゃん?それについて詳しく聞かなきゃ。要らないってどういうことなのか」
「そうですよね。それが過去由来なのなら、辛いかもしれないけど、話してもらわなくちゃ」
大将が立ち上がり、俺達を見た。「とにかく、もう一度淤御国を出陣させよう。まだ追加された場所は2つあるからな」
「できれば、そこで淤御国のもう1つの刃格を呼び出してくれ。そして、事情を聞いてきて欲しい。俺じゃ多分さっきと同じだろうしな」
「判ったぜ主!この強くてカッコいいオレに任せておけ!」
「大将、俺っちは大将の言うことは正しいと考えてる。大将の望む通りの結果になると良いな」
「お前ら本当に神有難う」
「俺達神だよ主」加州はにっこりと笑顔を見せて言った。そうだな。大将より俺らは明らかに長い時を経ているし、神だったな。
取り敢えず、話はひと段落したため、俺達は解散した。明日も出陣するんだな、とぼんやり考え、俺も乱達のところに行くかと思い立ち上がった時、
「待て、薬研」
「……大将?」
大将が俺を呼び止めた。
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