20 本丸大騒ぎ 乱side ページ24
「のわああああああああああ!」
「あるじさん煩いよ。一体そんなに大声出してどうしたの?」
そう言ってボクはあるじさんの頭をポカッと殴った。「痛てて…」あるじさんが頭を抱えてしゃがみ込む。
あるじさんが悪いんだよ。折角ボクが持ってきたいち兄特製の薬膳菓子を目の前にして、うーんうーんって、項垂れてるんだから。今日はボクが近侍なのに、全っ然髪も梳いてくれないし!
「嗚呼、本当に大変な事が起こったんだ。だから早く刀剣達を集めてくれ」
「えー…。判ったよ」
ボクは皆を呼びに、審神者部屋から出て行った。
本当、何でそんな慌ててるんだろ。今日は時間遡行群が出なくて平和だーって、嬉しそうに日向ぼっこしてたのに。
まさか……いや、そんな訳ない……よね。
「皆に言いたいことがある。時間遡行群が出た」
デスヨネー。
「はっはっは。良きかな良きかな」
「何が良いんだよ!?然も一気に3カ所だぞ!?明らかに異常だ!」
「まあまあ。んで、一体何処と何処と何処なんですか?」
「えーっと、厚樫山と、桶狭間と「主!俺に是非出陣させてくれ!」鶴丸!?ビックリさせんなよ」
「珍しいな、お前が出陣したいなんて言うの」あるじさんが目を見開いて言った。「だって、丁度山に関連する驚きを思いついたところなんだぜ!」
「あのなあ、流石に戦場で驚きやったら死ぬぞ」
「大丈夫だ!何せ、俺はしなやか〜に敵の攻撃をかわすからな!」
「鶴さん、さっきからこの前主が持ってきたテレビのバレエの大会見て、『こりゃ驚きだ!こんなに人間は身体が柔らかいのか!』って、ハマったらしいんだ。それからずっとこんな調子だよ」
「うっわあー…厄介だな、驚きも」
いつもは驚きを共に提供して怒られているあるじさんが呆れてる!?頭でも打った!?
そんなことを思っているボクを察したのか、鯰尾兄が「乱、俺も思ったけど胸の内に留めておこう」と小声で話しかけてきた。判ってるよ。そんなこと言ったらあるじさんに、おやつ抜きにされる未来しか見えないもん。
「あるじどの!最後の1カ所は一体何処でしょうか?」
「あ、忘れてた。最後の1カ所は…」
あるじさんが、申し訳ないと言いたげな顔で言った。「……霧耀渓谷だ」
「「「「「…」」」」」
「「「「「はあああああああああ!?」」」」」
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