18 兄として 海翔side ページ22
「主……私はどうすれば良いのでしょう……」
「いや俺に聞かれてもなあ……」
どうも!脳内から直接貴方に語りかけている審神者、海翔です!
和泉守部隊が、霧耀渓谷に向かって数十分経ち、俺が野暮用で審神者部屋から出た時、なんと目の前に一期一振が立っていました。
いや怖えよ。俺よりずっと身長高い一期に目の前立たれるとメンチ切られてるみたいで死にそうになるわ。
まあ、ロイヤルな一期にこんなこと言ったら殺されるの目に見えてるけど。
「少し、いいですか?主」と言われ、野暮用を後回しにし今の状態です。
どうやら、薬研が甘えてくれないのが悲しいようで。
「いつもいつも男前で弟達から頼れる兄貴として慕われているのは兄としても嬉しいのですがでもなんか兄としては薬研も弟なのだから甘えてほしいという願望が湧き出てい「待て待て待て待て早い早い!お前マシンガントークするなや!」」
「では、私がどうしたら薬研に甘えてもらえるのか、ご教授を!」
「………薬研は独り立ちしているんじゃないか?もうお前に頼らないよう頑張ろうとしてるんじゃ?」
そう言うと、一期は酷く項垂れた。よっぽど薬研に甘えてほしいんだろうな。
弟大好きか。
「薬研……あぁ……薬研……」と何度も薬研の名を呼ぶ姿はなんか悲しくなってくる。
ウチの本丸の薬研藤四郎は、男前すぎるくらいだが、一期は他本丸に比べ、非常に兄弟愛が重すぎるセコムである。いや若しかしたら他本丸もそうかもしれないけど。
「……取り敢えず、貴重なご意見有難う御座いました。あと、乱が万屋に行きたがってましたよ」
「マジかあ……。ついこの前行ったばかりじゃんかよぉ……」
「ちゃんと行かせてくださいね」
「絶対行かせてもらえるよう頼んでおくと言っておきましたので」そう笑んだ一期。お前の顔面殴ろっか?いやダメだそんなことしたらロイヤルな一期ファンに俺が殺される。
それにこんな綺麗な顔立ちの一期の顔殴るなんてできない!
言いたいことは言い切ったのか、一期は審神者部屋から去っていった。
全く、兄弟が好きなのは良いことだが、愛が重すぎなんだよな一期は。
だから五虎退に「凄く構って来るので正直迷惑なんです」って愚痴られるんだぞ。
最近ほぼ毎日ああいう苦情来てるんだからな。
……でも、兄弟を大切に思う一期は好きだし、だからこそ、皆に慕われてんだろうな。
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