十二大戦__憂城と音恋__２【続編】

十二大戦開始のアナウンス。《好き。大好き。》 ページ10

「ねぇ、音恋ちゃん」

美桜莉が不安そうに聞く。

『なに？』

「あのさ、１２年前、音恋ちゃんが十二大戦に出たとき…、死んだ、よね」

『…あぁ…うん。死んだよ』

「卯の戦士のたった１つの願いを、音恋ちゃんのために使ったんでしょ？」

『そう、だけど…？』

「…。
やっぱ、何でもないよ！」

なんなの…。
私は牛井に剣で刺された場面を思いだし、かすかに顔をしかめる。

「音恋ちゃん。
卯の戦士のこと、好き？」

『…、うん。好きだよ。大好き。
でも憂城くんは言ってくれないんだよね〜』

「応援してあげなきゃね、音恋ちゃん」

『そうだね。優勝したら、どっか旅行でも…』

そこで、アナウンスが入った。

《十二大戦を、開始致します。
幸運を。》





十二大戦開始。




私は、祈り続けた。



憂城くんが勝つように。




また、憂城くんと笑い会える日は、
きっと、必ず、



来る。

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