避難場所《再会》 ページ8
《十二大戦 避難場所》
墨で丁寧に書かれた字。
階段が下に向かってずっとのびている。
一見地下鉄のようだが、そのような素朴さは一切ない。
十二大戦は12時間で決着がつくのに、
質素なつくりでもいいのに、
豪華な飾り付けが目を引いた。
階段を降りていくと_____
『…す、すごい…!』
ものすごい広い。
横と向こう側の壁が見えない。
私は、あたりを見回した。
「あっ!音恋ちゃん!こっちだよ!!」
混み合っている中、私は身体をねじ込ませて声のする方へ急ぐ。
『んっ…』
やっとぬけた…。
そこにいたのは…
『えッ、美桜莉!?』
美桜莉(みおり)。
私より背が数センチ小さく、あまり戦闘とは無縁そうな見た目だけど、桜音会社では上位の実力を誇る女の子だ。
「そだよッ☆
音恋ちゃん、また可愛くなったデショ?」
『そんな、なってないよ〜』
実は美桜莉は、私の実姉、恋音が調子に乗っていた時、唯一密かに私を応援してくれていた人なんだ。
それを知ったとき、
早く言ってくれれば心強かったのにな。
って思った。
まあ無理もない。
その当時、私は邪魔者扱い。
私の実力を認める数人も、邪魔者として会社内で孤立していたくらいなの。
『美桜莉、また身長縮んだ?』
「もうッ、まだ成長期が来てないんですぅ!
いつか、音恋ちゃんを追い抜かしてやるっ!」
『ニャハ、はいはい』
私はくすくす笑った。
あれ、そういえば、私、笑うのって、いつぶりだろう…。
「あ、音恋ちゃんのお父様、いるよ?」
『…ッ、どこにいる?』
何年ぶり…?
「あ、あそこ!
桜音さん!」
大声で美桜莉は呼ぶ。
「何だ、美桜莉_____
お前、音恋か?」
パァッと私は笑顔になる。
お父様。
私の、お父様____
『お父様!ひさしぶりですね!』
私と桜音は抱擁をした。
何か少しやせた気がする。
「お前も大きくなったな」
『ふふ、お父様、ちゃんと食べてますか?
健康に気を付けてくださいよ?』
桜音は盛大に、ガハハと笑った。
「娘に言われたら食うしかないな!」
そこで、私の髪が揺れた。
小さな風が起きたのだ。
避難場所の、扉が閉められた。
そして、黒いスーツを着た男達が、タブレットのようなものを全員に配り出した。
全員に配り終わったのを確認すると____
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小倉さんちのトースト(プロフ) - 脱力鬱さん≫誤解させてしまい申し訳ありません。変えておきますね。 (2018年2月9日 21時) (レス) id: 8a91b56ecb (このIDを非表示/違反報告)
脱力鬱(プロフ) - 理解しました。私のように誤解してしまうこともあるので、少しタグの名前を変えてはいかがでしょうか。「オリジナル」ではなく「十二大戦オリジナル」など。 (2018年2月9日 16時) (レス) id: ddd5346aa7 (このIDを非表示/違反報告)
小倉さんちのトースト(プロフ) - 脱力鬱さん≫ついていませんでした。多分ですが、キーワードがオリジナルとついているからだと、、 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 8a91b56ecb (このIDを非表示/違反報告)
脱力鬱(プロフ) - オリジナルフラグを外すようお願いします。 (2018年2月7日 21時) (レス) id: ddd5346aa7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:愛羽 | 作成日時:2018年1月22日 16時