十二大戦__憂城と音恋__２【続編】

願い事 ページ15

とある、ビル。

あの、１２年前、初めて憂城くんと出会ったビル。


『憂城くんー？』

どこかな…？

「あぁ、これはこれは猫の戦士、音恋様」

ドゥデキャプル。

『あなた…、やっぱり、１２年前と変わってないね、ドゥデキャプル』

「有難いですね。
では、音恋様、こちらへ」

『？』


ある部屋に通される。


そこにいたのは_____




黒っぽいうさ耳。



白い髪。



赤い瞳。



巨大な兎の尻尾。




「音恋ちゃん」


『ッ、憂城くん！』


私は駆け出し、憂城くんに抱きついた。

『うわぁああ…憂城くん…！』

憂城くんの胸を、濡らす。


ずっと憂城くんは、トン、トンと背中を優しく叩いてくれた。





「___さて、いいですか？」

『あっ…。ごめんなさい』

すすっと鼻をすすり、ドゥデキャプルの方をむく。
憂城くんと手を繋いだまま。


「では、憂城様。
十二対戦、優勝おめでとうございます」

「僕、勝った」

ドゥデキャプルは頷く。

「そして、願いを１つ叶えられるということてすが…」

「音恋ちゃん」

『なあに？』

「何かある？」

『え、私？
いや、憂城くんの願い事は？』

「僕は、音恋ちゃんと、幸せになること」

『…憂城くん。
私ね。
憂城くんと、旅行に行きたい。長い、旅行』

「うん。僕も、行きたい」

「では、願い事は？」

「幸せに暮らして、音恋ちゃんと、旅行に行きたい」

「分かりました。では、もうお帰りください。
よい人生を」

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