. ページ3
「そうか…お前はそんなことを考えていたのか。愚かな奴だ。」
ジェイディスは怒りをひた隠しながら何とか言葉を紡いだ。
Aは姉が拳を爪が食い込む程に強く握っていることに気付いたが、毅然とした態度を崩さずただ姉に対して静かに笑んだ。
「"春の女神"がかくも愚かしい者だとはきっと国中の誰も知らないだろう。何せお前は自らの出生を偽ってきたのだからな。」
「それはあなたとて同じこと。そうでしょう、ジェイディス。」
向かい合う二人の顔からサッと表情が消え去る。何せこの二人にとって、出生について触れられるのはタブーだからだ。
天魔の類いの血と、巨人の血。それが入り交じって生れたのがこの姉妹である。
「私はこの血に抗うわ。例え偽善だ何だと言われようと、私はあなたのように冷徹で残忍な行いをしたくない。アスランから授けられた"春の女神"という役目に誓って。」
「ほざくがよい。お前がどう足掻こうと血には抗えぬ。それにな、」
ジェイディスが冷ややかな笑みをAに向けた。
「お前の望む春はやって来ぬ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月(プロフ) - 更新楽しみに待っています。 (2021年8月13日 3時) (
レス) id: cdc84e7fef (このIDを非表示/違反報告)
茶トラ丸(プロフ) - 御影石華恋さん» わざわざコメントまで…ありがとうございます！お褒め頂き光栄です。これからも楽しんで頂けるよう精進します！！ (2019年10月6日 15時) (レス) id: b46c3a08b5 (このIDを非表示/違反報告)
御影石華恋(プロフ) - 拝見させていただきました。すごいですね。臨場感溢れると言うか、そんな感じがして、ナルニア国物語と言うものは存じませんが楽しめました。更新待っています。 (2019年10月6日 15時) (レス) id: 0a8f72cd40 (このIDを非表示/違反報告)
茶トラ丸(プロフ) - まいさん» ありがとうございます！作って一年程度放置してしまったので、今日から更新を始めようと思います。長らくお待たせして申し訳ありませんでした！！ (2019年10月5日 13時) (レス) id: b46c3a08b5 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - ナルニア国物語好きなので嬉しいです！これからも頑張ってください！応援してます！ (2018年9月9日 13時) (レス) id: 902c50e638 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：茶トラ丸 | 作成日時：2017年2月4日 13時
