いち ページ1
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初めは本当に『委員長』って呼んでもらえてた。
でも段々。本当に段々と苗字で呼ばれるようになって。何故か代わりにななもりくんが委員長と呼ばれるようにまで変化してしまった。
学年トップの成績と県大会優勝の運動能力も持っているのに。この屈辱感はなんだろう。
委員長、という言葉を聞くのも嫌になってきた。
「委員長ー!!ここが分かんないんですけど…」
な「ん、どれどれー??」
勉強なら私の方が一枚上手。
なのに側にいる委員長の私よりも教室の隅にいるななもりくんを態々呼んで質問している。
ねぇ、なんで。なんで私じゃないの?
そう聞けたらいいのにね。
莉「Aちゃん、なに悩んでんのお?」
苺色の飴をペロペロと舐めながら此方を見つめる莉犬くん。
この子は唯一ななもりくんのことを『委員長』と呼ばないグループの一人だ。
まあ、私のことも呼んではくれないのだけれど…。
『別に。なにも』
莉「やだ、Aちゃん冷たいぃ」
まだ大きな飴玉を口の中に放り込み、顔を歪ませながら不機嫌そうに言う。
いや、全然心開いてる方だと思うんだけど。
コミュ障なのかな、私。
もう分かんないや。
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作者名:紗和 | 作成日時:2020年6月26日 22時