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__「あの、貴女は...?」
黒髪の子が怯えた目を向けて私に質問を投げ掛けた。
...きっと私を売人かなんかだと思っているのだろう。
『私はA。私も、君たちと同じ魔法使い。まぁ女の子だから魔女ってところかな。』
__「魔法...使い...っ!」
売人「おい!いたぞ!!あそこだ!!」
__「っ!?なんで!?」
__「僕たち...またっ...」
__「っ...」
__「やっと、自由になれたのに...」
私は本能で彼らの前に立ち塞がった。
何故か、彼らを守りたい。そう思ったからだ。
売人「おいどけろっ...おい嬢ちゃん、良いモン着てんじゃね〜かよ」
売人「どっかの金持ちの嬢ちゃんかなんかか?」
売人「へぇ〜そんな嬢ちゃんが一人でここに...か。」
まるで“タダでは帰さない”と言いたげな彼らのその目は、ナイフの如く容赦なく私に突き刺している気がした。
私の後ろで子供達は互いに身を寄せて怯えている。
...この子達を、アイツらの手へ渡してはいけない。
売人「なぁ嬢ちゃんよぉ〜。後ろにいる子供、返してくんね?」
売人「ソイツらは俺らの大事な“カゾク”なんだよ。分かるだろ?」
売人「ま、ソイツらとゆっくりお喋りしたけりゃ金だしな。ほら、さっさと出せよ。ど〜せ大金持ってんだろぉ!!」
お金...お金...?
そう言えばさっきなかむから“はいこれ、前金だよ”って言われて金貨5、6枚くらい貰ってたっけ。
この国の硬貨は分かんないけど何となくこの金貨はめちゃくちゃ高価な気がする。
『...分かりました。お金、払えば良いんですよね。これで足りますか?』
私はポケットから金貨を1枚出して彼らにちらつかせた。
売人「おまっ、それっ...!?」
売人「きっ金貨!?...初めて見た...」
売人「っおい!さっさとそれ寄越せ!!」
飛び付いてきた売人を避け、金貨を思いっきり遠くへ投げた。
『追い掛けなくて良いんですか〜?さっさと取りに行かないと、誰かに取られちゃいますよ〜?』
売人が投げた金貨を追い掛けにここを離れたのを確認すると、私は4人の子供達の手を引いて走った。
『取り敢えず、早くここから離れよう...!』
4人の目には、光が宿り始めていた。
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かれーるぅ。 - 神作品をありがとう!!!!(初コメですすいません)番外編とかないですか!? (8月4日 20時) (レス) @page40 id: b3274f6834 (このIDを非表示/違反報告)
怜凛 - うーん、年齢の0いっこはたき落とそうか。(年齢知ったときのワイ)むっちゃおもろい。某しゃべる猫もどきロボットで盛大に牛乳を吹いた人 (2022年6月27日 6時) (レス) @page15 id: 76e3e3c863 (このIDを非表示/違反報告)
える - 失礼だったらごめんなさいなんですけど、不思議雑貨というゲームがあるのですがとても似ていて面白いです!頑張ってください! (2022年1月11日 5時) (レス) @page5 id: 259d1d5f37 (このIDを非表示/違反報告)
あいす - 頑張ってください!! (2021年11月2日 15時) (レス) @page30 id: 46b862f725 (このIDを非表示/違反報告)
つゆ - 更新停止把握です!テスト頑張ってくださいね!!わいも、、べんきょー、、す、るかぁ(大嘘)続きも楽しみにしてます! (2021年10月26日 18時) (レス) @page30 id: 5d979c15e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:李斗 | 作成日時:2021年10月9日 4時