”家族”はここに居るから【MHA×ワンピース】 (ページ39)

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エリちゃん脱走事件から数日。

部屋の外が騒がしいし慌ただしいし、地上にはいくつもの気配がある。ほとんどがヒーローか警察。
そういうことだわな。

「あ…」
「少しは働け出向組」
「はーい」
「任せとけオーバーホール」
「…………」

こういう時のために借りたんだ、と言わんばかりに自分達も戦闘に引っ張り出される事になった。
マスク野郎がエリちゃんを抱えていたのでエリちゃんとも目があった。緩く笑いかけておいて、そのまま別れたけど。
エリちゃんに会うのはこれが最後かなァ…。

「ってわけだけど……ンーそうだな、トガちゃん左行ってくれる？ヒーロー達が向かってきてるから。トゥワイスは僕と一緒に右ね。有象無象が大量に居る方」
「了解だぜ！左だな！」
「１人ですか…みんないっしょがいいです」
「左、緑谷君も居るよ」
「行ってきます！！」

はいいってらっしゃい。

見聞色レーダーを使って有象無象集団の場所までトゥワイスを案内する。
主な仕事はそれまでで、自分は後ろらへんからトゥワイス君が何をするのかを見ておいた。

彼の強みは”能力”。彼本人の体術スキルはボロボロもいいところだが、それなら殴る蹴るが得意な人間を作り出せばいいっていうことができる。

「どんな輩(ヒーロー)が来てんのかと思ったらコノヤロー只のリーマンじゃねェか！！」

トゥワイスが作り出したのは、シエなんちゃらカイでも特に近接戦に長けた…………長けた………………あ、そうそうハランって奴。

人並み以上の仕事はしてくれないとな、と観戦モードにしようと思った次の瞬間にドォンという轟音。
ハラン(コピー)の姿はなく、代わりに壁がヘコみ、コピーがやられたとき特有のドロドロがそこにはあった。

…………。

「オイ……」

「戦闘用サポートアイテム超質量印、約５ｋｇの押印です。サラリーマン風体、このアイテムはユーモアが効いてるでしょう。……"予測を立てて先手を打つ"。幾人もの未来を見てきたからか……近接において私はそれらが他人より少し速い。しかしこれは読めなかった…まさか、天下のヴィラン連合が一介のヤクザに与するとはな」
「……ヤクザ使えねぇな！！？」

トゥワイスに一票。秒殺されるとか馬鹿なのか。いや本体がそこまで知能高くなさそうな人間だったから…バカ正直に攻撃受けた……のか？
いや…………今のを避けもせずに受けてやられるのはただの能無しだろ。ヤクザ使えねェなァおい。